100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


映画音楽らしい映画音楽を求む

 サントラは買わないことにしています。映画音楽というのは映像とあわせて初めて意味を持つものだと思うからです。サントラだけを聴いても映像がないとどうもしっくりこないのです。

 映像と音楽をあせたものではMTV等の音楽プロモーション映像があげられますが、僕はあまり好きではありません。曲として完結しているのに、わざわざ映像をつけているから、曲のイメージが限定されてしまって、どうも面白くないんですよね。

 『2001年宇宙の旅』の監督スタンリー・キューブリックは既存の音楽を使うのが物凄く巧い人でしたけど、この監督は本当に罪なことをしてくれましたよ。シュトラウスのワルツを聴くと、今では宇宙が浮かんできちゃうんですから困ったものです。

 『ファンタジア』は僕の大好きな映画ですが、今ではバッハのフーガを聴くとあのアニメの映像が浮かんで来ます。

 『2001年宇宙の旅』も『ファンタジア』も映像がとてもよくできていたし、音と完璧にあっていたので、もうあの音楽にはあの映像しか考えられなくなってしまったのです。

 堂々と「映画音楽」といえる映画音楽は昔から年に数本程度しか出て来ていませんが、その分映画音楽らしい映画音楽を聴いたときの感動は大きいですね。『E.T.』や『ゴッドファーザー』みたいに、既存の音楽を使わずに、音と映像が完璧なまでにマッチした作品を僕は待っていますよ。(2008/5/2)