リチャード・アッテンボロー監督待望の最新作
『あの日の指輪を待つきみへ』
主演のミーシャ・バートンがPRのため来日!
4月23日、新橋にて、『あの日の指輪を待つきみへ』のPRとして主演のミーシャ・バートンが来日。記者会見が開かれた。
この日のミーシャの印象については「今週のスター」に書いたので参考にして欲しい。ここでは主に作品のことについて書かせてもらう。
『あの日の指輪を待つきみへ』は『ガンジー』、『コーラスライン』などを手掛けた巨匠リチャード・アッテンボローの待望の最新作である。『ラブ・アンド・ウォー』から11年。ファンはこの時をどれだけ待っただろうか。しかも主演はシャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマーである。2人にとっても久しぶりに超大作といえる作品の主演となった。シャーリー・マクレーンは監督がアッテンボローと聞いて脚本を見ないで即出演を承諾したといい、彼の仕事ぶりについてはウィリアム・ワイラー、ビリー・ワイルダー、ヒッチコックに劣らないとまで絶賛している。プラマーにとっては『サウンド・オブ・ミュージック』以来の大役といえるものになっている。
この映画は実話を元(アッテンボローの十八番)にした50年にも及ぶラブ・ストーリー。戦争映画・政治映画としても見応えがあり、恋愛映画としても意外な展開にアッと驚かせる。そのストーリーの構築の妙味はアッテンボロー爺の健在ぶりを証明する確かなものである。巨匠も年老いて、ついに年相応の映画を撮ったという感じである。
全体を通して現代と過去が交互に描かれ、次第にその真相に迫って行くというこの筋書きの中で、ミーシャ・バートンはシャーリー・マクレーンの若き日を演じている。
ミーシャはシャーリー・マクレーンと同じ役を演じることについてプレッシャーがあったかという質問に対し「幸いシャーリーが演技した映像を先に見ることができたので参考になったのですが、シャーリーの演じるエセルと私の演じるエセルは性格が違っていて、シャーリーも好きに演じてと言ってくれたので私は演じやすかったです」と語った。
主人公エセルの性格は、一般の感覚からすれば理解できないところがあるが、その点についてミーシャは「いつも奥さんと連れ添っている監督ご夫妻がお手本になったので私はエセルの性格を受け入れることができました」と説明した。
これは悲劇的な作品ともいえる。その点については、監督も2004年にスマトラ島沖地震で娘と孫娘を亡くしており、その体験が映画に色濃く反映されている。いくらたっても人生の辛さは解消できるものではないが、それを事実として前向きにとらえ、人生をより良く生きていくこと。それがこの映画のテーマになっている。
(2008/4/23 文・写真:澤田)
『あの日の指輪を待つきみへ』は7月、テアトルタイムズスクエアほかにてロードショー(配給:松竹)