第2夜『28週後...』

今度はうじゃうじゃ突進してくるぞ

 『28日後...』の続編で、文字どおり事件発生から28週後を描いたものだ。とはいっても、まったく新しい一本の作品として作られているので、前作をまったく知らなくとも楽しめる内容である。

 この映画はいわゆるゾンビ系統に属する作品で、まあ筋書きは他とだいたい一緒だから、この手の映画が好きな人にはかなりぐっとくると思う。僕はこういうサバイバルな内容の映画には目がないので、大変楽しませてもらった(楽しむという表現は変だが)。

 この映画が他のゾンビ映画と違うところは、感染したらもう数秒もたたぬうちにゾンビ化してしまうこと。一度死んでからゾンビ化するわけではない。生きているから、普通の人間のように殺すこともできる。その点ではより現実的な内容と言える。

 誰もいなくなったロンドンで生き残ったわずかな人たちが寂しく隠れて生活する前作とは違って、今回はうじゃうじゃ感染者が出て来る。『エイリアン2』みたいに、静から動へスタイルチェンジし、今回は数で圧倒して、アクションとしての面白さも出したという感じだ。前半でロバート・カーライルが命からがら一人だけ生き延びるシーンが圧巻。大勢の感染者が猛スピードで突進してくる様が凄まじすぎる。

 ホラー映画なりの残酷さはこれにもあるが、映像的な残酷さよりも、むしろハートにぐさりとくる残酷さだ。主人公にやっと感情移入できたと思った矢先、中盤から急に主人公自身がゾンビになってしまうあたりは、かなり意表を突いた残酷さである。『サンシャイン2057』のヒロイン、ローズ・バーンが後半からの主役かと思ったら、彼女も惨たらしいことに。次々と主役の座が変わっていく・・・。

 前作ほど余韻に残る作品ではないが、タイムリミットがある分、こちらの方がよりサバイバル色が強くなっており、違う意味で充分に堪能させられた。最近ゾンビ映画がやたらと多く公開されている気がするがズバリ真打ちはこれ。公式サイトもショッキング。

(2007/2/4)