た行-と (専門用語事典)
【と】
ドイツ表現主義 German expression [他]
20年前後、フリッツ・ラングやF・W・ムルナウらが実施していた映画スタイル。作家の主観を通して事象を見るというもので、様式的なセットと独特な映像感覚が印象的であった。最も有名な作品はロベルト・ビーネの「カリガリ博士」(19)である。
動員映画 [作]
特定の団体に前売り券を購入してもらい、観客の動員がある程度保証されている作品。例えば、宗教法人などの団体の出資で作られた作品。
東映 [製]
日本の映画会社。昭和24年設立。「天と地と」などの時代劇、「仁義なき戦い」などの任侠もので有名。テレビでも成功を収め、「仮面ライダー」を始めとする特撮ヒーローもの戦隊ものが大ヒット。東映動画も設立して、日本アニメ界を担う存在に。最近話題になったのは「失楽園」と「新世紀エヴァンゲリオン」。
等級 ratings [映]
→レイティング・システム
同時音 synchronous sound [撮]
音源が画面の中に見えている音。現実音。
東宝 [製]
日本の映画会社の最大手。昭和7年阪急電鉄の小林一三が設立した東京宝塚劇場が前身。黒澤明の「七人の侍」「生きる」「用心棒」、成瀬巳喜男の「浮雲」、日本を代表する怪獣映画「ゴジラ」などを製作。配給会社としても洋画部門・邦画部門共に売上げ日本一。90年代は「もののけ姫」、「リング」、「踊る大捜査線」、「ポケットモンスター」をヒットさせた。【写真は会社のロゴマーク】
トーキー [作]
サイレント映画に対して、音の付いている映画。発声映画。
→サイレント映画。
トーキング・ヘッズ talking heads [撮]
被写体がカメラに向かってただ喋るだけのシーン。
ドーラン [装]
スタジオ撮影での強い人工照明でも肌が自然な肌色に見えるようにするためのベース化粧品。
トーン tone [撮]
フィルムの明暗。サウンドの質感。
ト書 [脚]
脚本で、せりふ以外の動作などを説明している文。
ドキュメンタリー映画 documentary film [作]
記録映画。ある現実を、ひとつの目的をもって撮影し、編集したもの。「砂漠は生きている」、「民族の祭典」、「ウッドストック」、「沈黙の世界」、「ピカソ 天才の秘密」など。
→劇映画、ドラマ
特殊効果 special effects [編]
映像を合成したり、フィルムを逆回転させたり、ミニチュアを使って撮影したり、特殊な演出・仕掛けの全般を言う。日本では円谷英二氏の功績が大きい。SFX。
特殊メイク [装]
俳優の体に特殊なメイクを施して、傷を再現したり、シワをつけたりすること。ホラー俳優のロン・チャニーは特殊メイクであらゆる怪物に成りきった。
特報 [映]
予告編のことだが、普通の本予告よりは短く、映画の内容を隠したり、小出しにして興味をあおる広告。封切りまでまだ先の作品を宣伝する場合、本予告ではなく特報を上映する。特報はときには文字だけのこともあり、特報を見たぐらいではその映画がどんな感じの映画なのか全くわからないのは当たり前。問題は宣伝のセンスがあるかどうかにかかっている。ティーザー。
ドグマ95 dogme95 [他]
95年にコペンハーゲンで結成された映画監督集団。今日の映画にみられる傾向に対抗することを目的とし、撮影はすべてロケーションで、セットはいっさい使わず、手持ちカメラで撮影する。BGMもいっさい使わない。
閉じた構図 closed forms [撮]
文字通りフレームが閉じたような構図。ロングでもクロース・アップでも閉じた構図は可能。英語でクローズは「閉じる」という意味。「近い」という意味のクロースとは意味が異なるので注意が必要。
ドタバタ [作]
とにかく暴れたり騒いだりして笑いを取るハチャメチャな喜劇。映画黎明期のコメディはほとんどがドタバタだった。スラップスティック・コメディ。
トッドAO Todd-AO [撮]
70mmフィルム(ネガは65mm)を使ったワイド・スクリーン・システムの一形式。画面比は縦横およそ1:2。「八十日間世界一周」(56)のプロデューサーのマイケル・トッドが考案した。
トップ・オフ top-off [映]
単館ロードショーなどで用いられる入場料金の分配方式のひとつ。あらかじめ宣伝費などの経費を総収入から天引きし、その残額を劇場と配給会社とで分配する行為。
トメ絵 [撮]
静止した画像。
ドライ dry [撮]
衣裳を着ず、セットのないところでリハーサルすること。テレビ用語。
トライスター TriStar [製]
コロンビアがCBSと共同出資して設立した新しい製作部門のスタジオ。
→コロンビア、ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント
トライブ・イン・シアター [映]
車に乗ったまま映画が見られる映画館。50年代に流行。
トラッキング・ショット trucking shot [撮]
ドリーなどの移動体に取り付けたカメラで撮ったショット。
→移動ショット、ドリー
トラック track [編]
互いに並行するいくつかの録音チャンネルのひとつ。
トラックアップ、トラックバック [撮]
カメラを移動しながら被写体に近づくのがトラックアップ(TU)、離れていくのがトラックバック(TB)。
トラベリング・ショット travelling shot [撮]
→移動ショット
ドラマ drama [作]
戯曲・演劇。また、ドキュメンタリー映画に対して、ストーリーを持った映画。劇映画。また、コメディに対してシリアスな作品。人間ドラマ。社会派ドラマ。
→コメディ、ドキュメンタリー映画
トランジション transition [編]
場面から場面への移り変わりに施すディゾルヴやワイプなどの効果。
ドリー dolly [装]
移動ショットを撮影するための車輪付の台。ドリーを使って撮影したショットをドリー・ショットという。移動車。【写真】
トリートメント treatment [脚]
物語のあらすじを詳しく書いたもの。
ドリームワークスSKG [製]
95年、スティーブン・スピルバーグ、ジェフリー・カッツェンバーグ、デビッド・ゲフィンが設立した映画とテレビ番組の製作会社。「ピースメーカー」に始まり、「マウス・ハント」、「プライベート・ライアン」、「アンツ」などを製作。映画製作だけにとどまらず、MCA、セガと共同で事業を拡大中。
トリック [編]
特殊撮影の古い言い方。サイレント時代最初の本格的な映画作家といわれるジョルジュ・メリエスは、トリックを見せ物としていた。
トリミング [編]
画像の不要部分をカットすること。
ドル箱シリーズ [作]
続編のヒットが確実に約束されている人気シリーズ。「ジェームズ・ボンド」シリーズや「スター・ウォーズ」シリーズなど。
ドルビー Dolby [編]
ドルビー研究所が開発した、ノイズ・リダクション・システム。これによりテープのノイズはほとんど聞こえなくなった。
ドルビー・サラウンド [映]
一般家庭向けのドルビー・ステレオ。
ドルビー・ステレオ [映]
フロントの左・右・中央と壁側のサラウンドの4チャンネルから成る立体音響システム。70年ころから普及する。
ドルビー・デジタル Dolby Digital [映]
デジタル音響方式のひとつ。ドルビー・サラウンドにサブウーファ(0.1chと数える)を加え、更に壁側のサラウンドチャンネルを左・右に分けて、6スピーカーそれぞれの音を独立させた5.1チャンネルシステム。信号はフィルムのコマの間に圧縮して記録する。90年ころから普及。このシステムに対応している映画館でなければ再現ができない。
→DTS、SDDS
ドルビーデジタルEX Dolby Digital EX [映]
ドルビー・デジタルにバックサラウンドを加えた6.1chの音響システム。2000年ころから普及する。
トレイラー trailer [製]
予告編。
トレスマシン [編]
アニメーション制作で、セルの間にカーボン紙をはさんで、コピー機のように実線部分だけを焼き付ける装置。
どんでん [撮]
イマジナリー・ラインを何かのきっかけに越えること。
→イマジナリー・ライン
どんでん返し [装]
芝居で、大道具を後ろへ倒すことによって、場面を転換する装置。がんどう返し。
ドイツ表現主義 German expression [他]
20年前後、フリッツ・ラングやF・W・ムルナウらが実施していた映画スタイル。作家の主観を通して事象を見るというもので、様式的なセットと独特な映像感覚が印象的であった。最も有名な作品はロベルト・ビーネの「カリガリ博士」(19)である。
動員映画 [作]
特定の団体に前売り券を購入してもらい、観客の動員がある程度保証されている作品。例えば、宗教法人などの団体の出資で作られた作品。
東映 [製]
日本の映画会社。昭和24年設立。「天と地と」などの時代劇、「仁義なき戦い」などの任侠もので有名。テレビでも成功を収め、「仮面ライダー」を始めとする特撮ヒーローもの戦隊ものが大ヒット。東映動画も設立して、日本アニメ界を担う存在に。最近話題になったのは「失楽園」と「新世紀エヴァンゲリオン」。
等級 ratings [映]
→レイティング・システム
同時音 synchronous sound [撮]
音源が画面の中に見えている音。現実音。
東宝 [製]
日本の映画会社の最大手。昭和7年阪急電鉄の小林一三が設立した東京宝塚劇場が前身。黒澤明の「七人の侍」「生きる」「用心棒」、成瀬巳喜男の「浮雲」、日本を代表する怪獣映画「ゴジラ」などを製作。配給会社としても洋画部門・邦画部門共に売上げ日本一。90年代は「もののけ姫」、「リング」、「踊る大捜査線」、「ポケットモンスター」をヒットさせた。【写真は会社のロゴマーク】
トーキー [作]
サイレント映画に対して、音の付いている映画。発声映画。
→サイレント映画。
トーキング・ヘッズ talking heads [撮]
被写体がカメラに向かってただ喋るだけのシーン。
ドーラン [装]
スタジオ撮影での強い人工照明でも肌が自然な肌色に見えるようにするためのベース化粧品。
トーン tone [撮]
フィルムの明暗。サウンドの質感。
ト書 [脚]
脚本で、せりふ以外の動作などを説明している文。
ドキュメンタリー映画 documentary film [作]
記録映画。ある現実を、ひとつの目的をもって撮影し、編集したもの。「砂漠は生きている」、「民族の祭典」、「ウッドストック」、「沈黙の世界」、「ピカソ 天才の秘密」など。
→劇映画、ドラマ
特殊効果 special effects [編]
映像を合成したり、フィルムを逆回転させたり、ミニチュアを使って撮影したり、特殊な演出・仕掛けの全般を言う。日本では円谷英二氏の功績が大きい。SFX。
特殊メイク [装]
俳優の体に特殊なメイクを施して、傷を再現したり、シワをつけたりすること。ホラー俳優のロン・チャニーは特殊メイクであらゆる怪物に成りきった。
特報 [映]
予告編のことだが、普通の本予告よりは短く、映画の内容を隠したり、小出しにして興味をあおる広告。封切りまでまだ先の作品を宣伝する場合、本予告ではなく特報を上映する。特報はときには文字だけのこともあり、特報を見たぐらいではその映画がどんな感じの映画なのか全くわからないのは当たり前。問題は宣伝のセンスがあるかどうかにかかっている。ティーザー。
ドグマ95 dogme95 [他]
95年にコペンハーゲンで結成された映画監督集団。今日の映画にみられる傾向に対抗することを目的とし、撮影はすべてロケーションで、セットはいっさい使わず、手持ちカメラで撮影する。BGMもいっさい使わない。
閉じた構図 closed forms [撮]
文字通りフレームが閉じたような構図。ロングでもクロース・アップでも閉じた構図は可能。英語でクローズは「閉じる」という意味。「近い」という意味のクロースとは意味が異なるので注意が必要。
ドタバタ [作]
とにかく暴れたり騒いだりして笑いを取るハチャメチャな喜劇。映画黎明期のコメディはほとんどがドタバタだった。スラップスティック・コメディ。
トッドAO Todd-AO [撮]
70mmフィルム(ネガは65mm)を使ったワイド・スクリーン・システムの一形式。画面比は縦横およそ1:2。「八十日間世界一周」(56)のプロデューサーのマイケル・トッドが考案した。
トップ・オフ top-off [映]
単館ロードショーなどで用いられる入場料金の分配方式のひとつ。あらかじめ宣伝費などの経費を総収入から天引きし、その残額を劇場と配給会社とで分配する行為。
トメ絵 [撮]
静止した画像。
ドライ dry [撮]
衣裳を着ず、セットのないところでリハーサルすること。テレビ用語。
トライスター TriStar [製]
コロンビアがCBSと共同出資して設立した新しい製作部門のスタジオ。
→コロンビア、ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント
トライブ・イン・シアター [映]
車に乗ったまま映画が見られる映画館。50年代に流行。
トラッキング・ショット trucking shot [撮]
ドリーなどの移動体に取り付けたカメラで撮ったショット。
→移動ショット、ドリー
トラック track [編]
互いに並行するいくつかの録音チャンネルのひとつ。
トラックアップ、トラックバック [撮]
カメラを移動しながら被写体に近づくのがトラックアップ(TU)、離れていくのがトラックバック(TB)。
トラベリング・ショット travelling shot [撮]
→移動ショット
ドラマ drama [作]
戯曲・演劇。また、ドキュメンタリー映画に対して、ストーリーを持った映画。劇映画。また、コメディに対してシリアスな作品。人間ドラマ。社会派ドラマ。
→コメディ、ドキュメンタリー映画
トランジション transition [編]
場面から場面への移り変わりに施すディゾルヴやワイプなどの効果。
ドリー dolly [装]
移動ショットを撮影するための車輪付の台。ドリーを使って撮影したショットをドリー・ショットという。移動車。【写真】
トリートメント treatment [脚]
物語のあらすじを詳しく書いたもの。
ドリームワークスSKG [製]
95年、スティーブン・スピルバーグ、ジェフリー・カッツェンバーグ、デビッド・ゲフィンが設立した映画とテレビ番組の製作会社。「ピースメーカー」に始まり、「マウス・ハント」、「プライベート・ライアン」、「アンツ」などを製作。映画製作だけにとどまらず、MCA、セガと共同で事業を拡大中。
トリック [編]
特殊撮影の古い言い方。サイレント時代最初の本格的な映画作家といわれるジョルジュ・メリエスは、トリックを見せ物としていた。
トリミング [編]
画像の不要部分をカットすること。
ドル箱シリーズ [作]
続編のヒットが確実に約束されている人気シリーズ。「ジェームズ・ボンド」シリーズや「スター・ウォーズ」シリーズなど。
ドルビー Dolby [編]
ドルビー研究所が開発した、ノイズ・リダクション・システム。これによりテープのノイズはほとんど聞こえなくなった。
ドルビー・サラウンド [映]
一般家庭向けのドルビー・ステレオ。
ドルビー・ステレオ [映]
フロントの左・右・中央と壁側のサラウンドの4チャンネルから成る立体音響システム。70年ころから普及する。
ドルビー・デジタル Dolby Digital [映]
デジタル音響方式のひとつ。ドルビー・サラウンドにサブウーファ(0.1chと数える)を加え、更に壁側のサラウンドチャンネルを左・右に分けて、6スピーカーそれぞれの音を独立させた5.1チャンネルシステム。信号はフィルムのコマの間に圧縮して記録する。90年ころから普及。このシステムに対応している映画館でなければ再現ができない。
→DTS、SDDS
ドルビーデジタルEX Dolby Digital EX [映]
ドルビー・デジタルにバックサラウンドを加えた6.1chの音響システム。2000年ころから普及する。
トレイラー trailer [製]
予告編。
トレスマシン [編]
アニメーション制作で、セルの間にカーボン紙をはさんで、コピー機のように実線部分だけを焼き付ける装置。
どんでん [撮]
イマジナリー・ラインを何かのきっかけに越えること。
→イマジナリー・ライン
どんでん返し [装]
芝居で、大道具を後ろへ倒すことによって、場面を転換する装置。がんどう返し。