友情ある説得 (作品紹介)

The Friendly Persuasion

<アメリカ/1956年/139分/人間ドラマ>
製作・監督:ウィリアム・ワイラー
原作・脚本:ジェサミン・ウェスト/脚本:マイケル・ウィルソン
撮影:エルスワース・フレデリックス/音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ゲーリー・クーパー、ドロシー・マクガイア、アンソニー・パーキンス

 南北戦争時代に生きる家庭を描いた作品で、カンヌ映画祭では最高賞を受賞。ウィリアム・ワイラー監督作としては、「我等の生涯の最良の年」の部類に入る、心温まるほのぼのドラマである。主人公をアメリカの良心の象徴ゲーリー・クーパーが熱演している。

 登場人物のみんなが個性的なキャラクターであり、ストーリーはゆったりと色々な人物のエピソードをいり混ぜて流れていく。
 とくに、クーパーの馬の話が面白い。負けず嫌いのクーパーなだけに、他の馬から追い抜かれる毎日が悔しくてたまらない。その思いから、ついに飼っていたのろまな馬を暴れ馬と交換し、ついに雪辱を遂げる。
 そういったピクニック気分の内容が飽きないテンポで続くわけなのだが、ラストではテーマが一気に加速する。
 アンソニー・パーキンスがついに戦争で人を殺す。クーパーはパーキンスの身を案じて戦場に向かい、南軍の兵と出くわし、もみあいになる。ついにクーパーは南軍を追いつめ、さあとどめをさそうかというときに、信仰のため思いとどまる。南軍の兵は涙目で去っていく。
 場所は変わってクーパー一家。暴力絶対反対だったクーパーの妻は、ペットが南軍兵たちに殺されそうになっているのを見てついに興奮、ほうきでバシバシと南軍兵の頭を殴ってしまう。

 暴力も方便。どんなに信仰の強いクエーカー教徒だって、人間味を持っているんだ。もちろん、僕たちみんなもね。

最後に一言:これは高校3年生のときに見た作品だったかな。
だから下手な解釈していたかもしれない。

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