ライフ・イズ・ビューティフル (レビュー)

La Vita e Bella

★★★1/2

<イタリア/1998年/117分/コメディ>
監督・出演:ロベルト・ベニーニ
出演:ニコレッタ・ブラスキ

ネタをあかしています。

●時代を偲ばせるご機嫌ラブ・ストーリー
 前半は、ひょうきんもののロベルト・ベニーニが、綺麗なお姉さんを射止めるまでを描くが、クサい口説き文句、度を超えた小道具、そしてパーッと華やかに盛り上げようとする姿勢が、かえってうっとりとさせられてしまう。1シーン1シーンが当時のハイカラを感じさせる楽しさだ。ハンサムでないベニーニが、素敵な男に見えてしまうから、嬉しい。
 

●ユーモアとペーソスの同居するドラマ
 後半は、収容所に送られたベニーニとその息子を描く。
 最初、僕はタイトルを見たとき、この映画をただのロマンチック・コメディだと勘違いしていた。が、実際は違った。ユダヤ人迫害を描いた、ユーモアとペーソスの同居する深刻なドラマだった。ナチスの手を、ユニークなアイデアでかわしていくところには、スリルさえある。
 後半の見所は、ベニーニがとにかく息子のことを思い続けること。その様子がパワフルに伝わるので、映画を見終わった後も、しばらく余韻が残る。息子を心配させないように嘘をついて楽しませて、笑顔を絶やさず陽気にはしゃぐベニーニの姿は、笑えるのに、少し切なかった。

オリジナルページを表示する