陰謀のセオリー (レビュー)

Conspiracy theory

★★★1/2

<アメリカ/1997年/135分/サスペンス>
製作・監督:リチャード・ドナー/製作:ジョエル・シルバー
脚本:ブライアン・ヘルゲランド/撮影:ジョン・シュワルツマン
出演:メル・ギブソン、ジュリア・ロバーツ、パトリック・スチュアート

ネタを多少あかしています

●とんでもない映画だけど、楽しめる
 「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナーが、これまた型破りなストーリーのサスペンスを作ってくれた。
 偏執っぽいタクシー運転手ジェリーは、とにかく用心深く、世の中陰謀だらけだと思っている。彼はどうしてか記憶がなくなっており、ただ司法省の女弁護士アリスを見張らなければならないという責任を背負っている。ジェリーは何者かに命を狙われ、ジェリーにつきまとわれたアリスもまた、しだいに世の中の陰謀を知ってしまい、命を狙われることに。
 世の中を相手にしてしまって、逃げ場のないことがこの映画の面白い所。多少やりすぎと思えるくらい行き過ぎたストーリーがかえって新鮮で、けっこう楽しめる。
  

●メル・ギブソンやるなあ
 主演のメル・ギブソンは、ちょっとアブない役だった。体当たりといいたいかつてなかった強烈な役である。いい人なのだが、住んでいる部屋が悪趣味で、そこら中に鍵がかけてあり、ちょっと変態的である。しかも洗脳されて記憶があやふやで、多少見ているこっちをイライラさせてしまいかねないが、突拍子もない行動は、なかなか面白い。何度も何度も危険な目にあってしまうが、ヒッチコック映画の主人公のように頓知たっぷりに切り抜けていくところがスリリングだ。

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