インビジブル (レビュー)
Hollow Man
★★★1/2
<アメリカ/2000年/ホラー>
監督:ポール・バーホーベン/音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:エリザベス・シュー、ケビン・ベーコン
●見るべきは、透明化プロセス
同作は、一言で言えば、「透明人間になる話」である。今までは、H・G・ウェルズ原作の映画化「透明人間」(The InvisibleMan)、ジョン・カーペンターによる「透明人間」(Memories of an Invisible Man)などで、透明人間が描かれたが、前者は見えないことの恐怖を描き、後者は、見えないことの孤独感を描いていたのだが、「インビジブル」(Hollow Man)の場合、透明化そのもののプロセスを描いたという感じである。この描写力が、凄いのだ。
今までは、透明化の演出は、ぼんやりと体だけフェードアウトして消えていくのが常套手段だったが、「インビジブル」は違う。最初に皮膚が消え、次に肉が消え、そして骨が消える。消えゆくものの苦痛の叫びも凄まじいが、この過程をもろに映像で見せているのは、とにかくエグイ。ここがいかにもポール・バーホーベンらしいアンモラルなところなんだろうが、ほんとこの監督は毎度凄い特撮マジックをやってくれる奴である。
●アイデアも技術も新しいエロCG
この映画で、何よりも凄いのは、CGだ。ストーリーよりもCGの方が強い。このCGショックは、「ターミネーター2」、「ジュラシック・パーク」以来かもしれない。
透明化プロセスのCG映像も凄いが、透明になってからのCG映像がまた面白い。何しろ本当に完全に消えてしまっている。
眠っている女性の服を見えない手で少しずつ脱がし、乳房を撫でる様子はコーフン度満点で、見ている僕も思わず理性を失ってしまいそうになった。
想像力豊かな男なら誰でも自分が透明人間になってHなことをするのを想像したことがあると思うが、この映画ではまさにその願望を映像化してしまっているわけだから、そのエロさは並大抵ではない。メジャー映画を見てここまで情欲を刺激されたのは初めてである。
感心したのは、主人公が男らしい「男」だということ。向かい側の建物に住んでいる女性が色っぽくてたまらないんだけど、彼女が脱いでいるところを覗こうとしたら、ブラジャーを脱ぐ直前のいいところで、カーテンを閉められてしまう。ここで「チェッ」と思うあたりが、「男」を感じさせて、面白く、見ている僕らも感情移入して悔しくなってしまうのである。透明人間になってからは、ついにその娘の部屋に侵入する。別に薬の副作用で、性格が凶暴化したわけではない。透明になったことで、非道徳的なことをやりたくなったのである。これは人間のいたずらな心理である。僕でも透明になったら、通りすがりの美女の家に侵入したかもしれないのだし。
●後半は月並みかもね。
主人公はその後、ストレスがたまりすぎて、とうとう狂人になってしまうのだが、ここから後は主人公が悪役になって、脇役のエリザベス・シューが主役になってしまい、ありきたりのハリウッド・ホラーになってしまう。そこそこのバイオレンスとスリルは楽しめるが、ちょっと物足りなさを感じてしまうかもしれない。もう少し透明人間としての心理を描くことに徹した方が良かったかもしれない。その点ではジョン・カーペンターの「透明人間」の方が面白かった。
最後に一言:エリザベス・シューは決して脱がないなぁ
★★★1/2
<アメリカ/2000年/ホラー>
監督:ポール・バーホーベン/音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:エリザベス・シュー、ケビン・ベーコン
●見るべきは、透明化プロセス
同作は、一言で言えば、「透明人間になる話」である。今までは、H・G・ウェルズ原作の映画化「透明人間」(The InvisibleMan)、ジョン・カーペンターによる「透明人間」(Memories of an Invisible Man)などで、透明人間が描かれたが、前者は見えないことの恐怖を描き、後者は、見えないことの孤独感を描いていたのだが、「インビジブル」(Hollow Man)の場合、透明化そのもののプロセスを描いたという感じである。この描写力が、凄いのだ。
今までは、透明化の演出は、ぼんやりと体だけフェードアウトして消えていくのが常套手段だったが、「インビジブル」は違う。最初に皮膚が消え、次に肉が消え、そして骨が消える。消えゆくものの苦痛の叫びも凄まじいが、この過程をもろに映像で見せているのは、とにかくエグイ。ここがいかにもポール・バーホーベンらしいアンモラルなところなんだろうが、ほんとこの監督は毎度凄い特撮マジックをやってくれる奴である。
●アイデアも技術も新しいエロCG
この映画で、何よりも凄いのは、CGだ。ストーリーよりもCGの方が強い。このCGショックは、「ターミネーター2」、「ジュラシック・パーク」以来かもしれない。
透明化プロセスのCG映像も凄いが、透明になってからのCG映像がまた面白い。何しろ本当に完全に消えてしまっている。
眠っている女性の服を見えない手で少しずつ脱がし、乳房を撫でる様子はコーフン度満点で、見ている僕も思わず理性を失ってしまいそうになった。
想像力豊かな男なら誰でも自分が透明人間になってHなことをするのを想像したことがあると思うが、この映画ではまさにその願望を映像化してしまっているわけだから、そのエロさは並大抵ではない。メジャー映画を見てここまで情欲を刺激されたのは初めてである。
感心したのは、主人公が男らしい「男」だということ。向かい側の建物に住んでいる女性が色っぽくてたまらないんだけど、彼女が脱いでいるところを覗こうとしたら、ブラジャーを脱ぐ直前のいいところで、カーテンを閉められてしまう。ここで「チェッ」と思うあたりが、「男」を感じさせて、面白く、見ている僕らも感情移入して悔しくなってしまうのである。透明人間になってからは、ついにその娘の部屋に侵入する。別に薬の副作用で、性格が凶暴化したわけではない。透明になったことで、非道徳的なことをやりたくなったのである。これは人間のいたずらな心理である。僕でも透明になったら、通りすがりの美女の家に侵入したかもしれないのだし。
●後半は月並みかもね。
主人公はその後、ストレスがたまりすぎて、とうとう狂人になってしまうのだが、ここから後は主人公が悪役になって、脇役のエリザベス・シューが主役になってしまい、ありきたりのハリウッド・ホラーになってしまう。そこそこのバイオレンスとスリルは楽しめるが、ちょっと物足りなさを感じてしまうかもしれない。もう少し透明人間としての心理を描くことに徹した方が良かったかもしれない。その点ではジョン・カーペンターの「透明人間」の方が面白かった。
最後に一言:エリザベス・シューは決して脱がないなぁ