目撃 (レビュー)

Absolute Power

★★★
<アメリカ/1997年/121分/サスペンス>
製作・監督・出演:クリント・イーストウッド
製作:カレン・スピーゲル/脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:ジャック・N・グリーン/音楽:レニー・ニーハウス
出演:ジーン・ハックマン、エド・ハリス、
ジュディ・デイビス、ローラ・リニー、スコット・グレン

ネタをあかしています。

●イーストウッド、かっちょえすぎ
 クリント・イーストウッドの監督主演作品であるが、初期イーストウッド作品とサスペンス描写が似ているので、そこが逆にファンとしては嬉しくなる一本である。
 イーストウッドはあいかわらず、渋くてウィットに富んだ演技を披露してくれる。このとき、67歳。この作品では、いつも以上に、老いぼれっぷりを見せるようになったが、それでもまだかっちょええ。泥棒なのに、正義役ってとこが笑える。大好きなスターだ。
 今回は同い年のスター・ジーン・ハックマンも出演する。ストーリー上、2人が同じフレーム内に一緒に登場することはないが、クレジットに両名が連ねたことは、いやはや嬉しい。
 

●大統領がレイプしている所を目撃
 イーストウッド扮する大泥棒は、お仕事中に、大統領が女をレイプしているところを目撃。シークレット・サービスの連中にバレてしまい、命を狙われる羽目になる。
 若禿警察のエド・ハリスや、娘のローラ・リニーも巻き込んで、だんだんと事態は悪化していくが、登場人物のシチュエーションを、緊張感を保たせつつも、小粋に見せていく所がイーストウッドらしく、上手い。登場人物の台詞や行為も、なかなかお洒落だ。
 しかし、深刻さが伝わりにくく、せっかくの緊張感を一から共感できないのが惜しい。ジーン・ハックマンが出てくるシーンも、なくてもいいものが多く、存在が弱かった。
 原題の意味は「絶対の力」。
 

最後に一言:ハリー刑事とポパイ刑事の共演だね

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