エリン・ブロコビッチ (レビュー)

Erin Brockovich

★★★

<アメリカ/2000年/131分/社会>
監督:スティーブン・ソダーバーグ/脚本:スザンナ・グラント
撮影:エド・ラクマン/音楽:トマス・ニューマン/衣裳:ジェフリー・カーランド
出演:ジュリア・ロバーツ、アルバート・フィニー

ネタをあかしています

●ジュリア・ロバーツだからできた映画
 ジュリア・ロバーツは今年ついに芸能界一番のトップスターになったが、この「エリン・ブロコビッチ」を見せられれば、それも自然と納得してしまうだろう。
 この映画のジュリアはまさしく輝いていた。この映画は実話を元にした女性映画だが、ジュリア・ロバーツの威勢がこの映画を益々逞しいものにしている。表情ひとつが真剣そのものだ。
 また、ジュリアの色仕掛けのファッションも見ものである。ジュリアは何度も衣裳を替えているようだが、その衣裳のほとんどはボディラインを強調したセクシーなデザインであり、ちょっとしたファッション・ショーを見ている気分にもなった。
  

●女のサクセスストーリーなんだけど・・・
 エリン・ブロコビッチは実在の人物で、全米史上最高の和解金額3億3千3百万ドルを勝ち取ったワーキング・ウーマンである。この物語は、教養もなく、仕事も全然見つからなかった女が、弁護士の元で、一生懸命調査に励んで、自立していく姿を描いたサクセス・ストーリーである。
 70年代に流行ったタイプの映画であるが、映画スタイルはいたって今風で、フィルムのカッティングや、カメラアングルなどが、密かに意欲が感じられる。映像も光を強調しており、やや黄色がかっていて、いい雰囲気が出ている。タイトルクレジットのカメラワークはそのスタイルを遺憾なく発揮している(僕は映像派なので、こういう所に目がいってしまうんです)。
 名優アルバート・フィニーが共演しているが、「いかにも」といった感じのおっちゃん役で、久しぶりにいい。
 ただ、進行をやたらとじっくりと見せすぎたことと、発展を地味にしたことが、大きな感動につなぐまでに及ばなかった。こういう訴訟ものは、訴訟大国アメリカでは人気があるかもしれないが、日本人が見てもいまいちピンとこないというデメリットがある。知識人には受けそうなのだが。
 この長い上映時間を飽きずに過ごすためには、ジュリアの色気を楽しむ他にないようだ。

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