ロング・キス・グッドナイト (レビュー)

The Long Kiss Goodnight

★★★★

【R指定】
<アメリカ/1996年/アクション>
製作・監督:レニー・ハーリン
製作・脚本:シェーン・ブラック/製作:ステファニー・オースティン
撮影:ギレルモ・ナバッロ/音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:ジーナ・デイビス、サミュエル・L・ジャクソン
(2月5日夜9時フジテレビ系にて放送)

ストーリーのネタばらしはしていませんが、作風のネタばらしはしています。

●レニー・ハーリンに失敗作なし

 「ロング・キス・グッドナイト」はレニー・ハーリンの作品である。
 レニー・ハーリンはアクション・ファンなら知らない人はいない監督である。「ダイ・ハード2」を発表して注目されたが、その後もその手の無茶苦茶な豪快アクション映画を連発。「クリフハンガー」、「カットスロート・アイランド」など、ド派手なアクション・シーンと美しいカメラワークが融合した見事な娯楽大作を放ち、まさしくホットな野郎である。
 今回は前回と同じく、愛妻ジーナ・デイビス(ハリウッド一の長身女優)を主演に置いているが、いつも危機一髪の連続攻撃で我々を興奮させてくれるハーリンは、今回は危機一髪の定番であるスパイものに手を出した。しかもこれがただのスパイものではなく、主人公は記憶喪失で、自分の記憶を探しに行くという推理映画的な作りも楽しめるのだ。
 

●サミュエル・L・ジャクソンが個性発揮


 サミュエル・L・ジャクソンは、「パルプ・フィクション」ですっかり有名になったが、こいつほど個性に溢れた役者は近年まれだと思う。顔面から迫力が伝わってくる役者だ。彼には、ラップ的なノリのまま威厳に満ちた風格を見せる才能がある。特に目つきがいい。
 だから「パルプ・フィクション」でも特に目立っていたが、「ロング・キス・グッドナイト」ではそれとは対照的に、気が弱そうなオっちゃんを演っていた。
 でも勇敢で、心が優しく、努力家で、主人公を必死になって助ける。それがやせ我慢を通り越していて、その姿は実に感動的である。
 助演役者が主演役者を食っちまういい例だ。
最後に一言:やっぱりアクション映画は危機一髪が肝心

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