プレデター (レビュー)

Predator

★★★★

【R指定】
<アメリカ/1987年/104分/アクション>
製作:ローレンス・ゴードン、ジョエル・シルバー、ジョン・デイビス
監督:ジョン・マクティアナン
脚本:ジェームズ・E・トーマス、ジョン・C・トーマス
撮影:ドナルド・マクアルパイン/音楽:アラン・シルベストリ
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、カール・ウェザース、ビル・デューク
(2月26日21時 フジテレビ系放送)

ストーリーのネタばらしはしていませんが、作風のネタばらしはしています。

●ストーリーはどうでもいいが、アイデアは面白く、素直に楽しめる

 何やら宇宙人が地球にやってくるシーンから始まる。舞台は密林。アーノルド・シュワルツェネッガーら軍隊たちが密林の中で次々と残酷かつ不可解な手口で殺されていく。その殺人者がいったい何者なのか、みんなにはまったくわからない。相手が見えないのである。この見えない敵という発想がこの映画の第一の勝利点だ。
 第二の勝利点は、その見えない怪物の目線を赤外線映像みたいな雰囲気で描写したところ。その怪物は温度で”獲物”を探る。その目線の映像から、その怪物が何かとてつもないものという印象を抱かせるのだが、ところが、観客にも、その怪物の実体はまるで明らかにしておらず、サスペンスを盛り上げる。
 登場人物の中には、変な行動を見せる奴もいるが、ストーリーとは関係ないにしても、個々のインパクトは十分発揮している。
 そしてようやく怪物も姿を現し、シュワルツェネッガーと一対一の対決を開始するが、これが見事にスリルとアクションが融合しており、また肉体的と表現してよく、長ったらしいながらも、素直に楽しめる。
 なお、”プレデター”とは捕食動物という意味である。
 

●絶妙のBGM

 アラン・シルベストリが作曲した音楽は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、わりとTVのBGMに使われることが多い。この「プレデター」も彼の代表作のひとつだが、軍歌のような打楽器の導入と、スリラー映画風のオーケストレーションで、恐怖と不安と戦闘的な感情表現を実現させている。そして、この音楽を頻繁にバックで流すことで、うまい具合に映画のムードを倍増させているのだ。
 

最後に一言:子供の頃ごっこ遊びでよくこの怪物の真似をしました

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