トイ・ストーリー (レビュー)

Toy Story

★★★★

<アメリカ/1995年/81分/ファンタジー>
製作:ラルフ・グッゲンハイム、ボニー・アーノルド
監督:ジョン・ラセッター
脚本:ジョス・ホエッド、ジョエル・コーエン、
アンドリュー・スタントン、アレック・ソコロウ
音楽:ランディ・ニューマン
出演:トム・ハンクス、ティム・アレン
(3月8日午後7時 東京放送系列で放送)

ストーリーのネタあかしはしていませんが、作風のネタあかしはしています。

●CGIが注目される中、タイムリーに登場
 90年代前半は、特撮映画のブームといってよく、「ジュラシック・パーク」を始め、沢山の特撮映画が公開され、CGI(コンピュータ・ジェネレイテッド・イメージ)という3次元CG映像の可能性が大いに開けていった。そんな中、「美女と野獣」で、美しく、立体感あふれるCG映像を作り出して好評を博したディズニーは、100%CGだけで作った長編アニメーション映画の前代未聞の企画に挑んだのである。
 もちろん結果は大成功。実際、ストーリー的にもよくできていた。それは、コンピュータ・アニメーションの夜明けを示した。

 余談だが、その後、テレビゲーム業界も急成長していき、ゲームの中でも驚異的CGIが駆使され、映画とゲームの世界はますます曖昧になっていくのである。
 

●実写よりもリアル!

 これを映画館で見たときには本気でびびった。
 これは実写よりもリアルだ。小道具の細かい光沢や質感までもきれいに再現しているし、また、主人公をおもちゃにしたことで、背景を巨大化し、まるで飛び出しているような立体映像を作り上げることができた。本当にその世界に立っているような気さえ思わせる映像力である。
 

●おもちゃはご主人様に従順

 ディズニー映画は、子供心を呼び覚ますようなストーリーが魅力だが、「トイ・ストーリー」は特にそう。
 僕も子供の頃はウルトラマンなどのおもちゃで遊んだが、この映画は、その”おもちゃ”が主人公。つまり、一人称はおもちゃ。我々はおもちゃの気持ちになって映画を見るわけだ。
 おもちゃって奴は、やっぱり持ち主の少年に愛されることを生き甲斐にしている。自分の体にマジックで書かれた少年の名前に誇りを持っている。そういうおもちゃのけなげな姿が、この映画の見所。
 おもちゃは、少年のためなら壊れてもいいと思っている。これこそ愛だ。この映画には素晴らしい愛が描かれているのだ。だからこの映画は素晴らしい名作なのだ。
 

最後に一言:子供の頃遊んだおもちゃ、大事にとっておけばよかった

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