スモール・ソルジャー (レビュー)
アッパレ。敵は相当小さいぞ。しかも表情がいつも同じ。この小ささと、変わらない表情が妙なおかしさ。こんな奴らに脅かされる様子が笑える。自転車にのっている青年を無表情で追いかける小さいおもちゃたちの光景は、もはやアバンギャルド映画のノリ。逃げる当人たちは大まじめ。ラジコンにのったスモール・ソルジャーの大群が家をせめてくる異様な光景の何たる迫力のなさ。それなのにこんな奴らにじわじわと追いつめられながら、家を攻め落とされていく様が痛いほどわかる。普通に面白い映画だが、あれだけの小さいおもちゃで、小さい爆発を幾度も見せて、ジオラマ的なスペクタクルに描いて見せた活動屋たちの心意気が、俺たちのハートを強く揺さぶる。アッパレである。