ピンポン (レビュー)

これはウマイ。青春映画としてもきちんとまとまっており、ストーリーの見せ方など、緻密に計算されていて、とてもセンスが良く、幾分か臭すぎる展開でも、そこをとことん派手に見せることで、勢いで観客に受け入れさせている。
卓球というスポーツには地味なイメージがつきまとう。球が小さくて軽いのがその要因だと思うのだが、そんな球に、若者たちの青春を凝縮させて表現させた荒技には拍手だ。ただ普通に球を撮っては表現力に欠けるので、移動キャメラやスローモーション、CGなどを駆使して、ソリッド(solid = 固体の, 中身の詰まった, がっしりした)な映像に仕上げている。似た物に「少林サッカー」があるが、サッカーがサッカーじゃなくなったあちらとは違い、こちらは卓球の持ち味はそのままに、卓球を通して若者たちの青春面をエネルギッシュに具現化して見せたところが良い。卓球というスポーツを尊重しており、卓球が男と男の命がけの真剣勝負だということを教えてくれる。だから「少林サッカー」よりも説得力があり、真面目でかっこいいのである。

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