アザーズ (レビュー)

「ヘルハウス」の系統であることには違いはないはずだが、見せ方はまったく新しく、生理的な恐怖感がある。大きな屋敷、ローソクの火、 古い絵画などは、それだけでもドロドロした肌寒さがあるが、下手なトリックや大音響の威かしは無しに、あくまで雰囲気だけで見せているところが宜しい。僕が一番怖かったのは、少女が描いた絵である。おばあさんの髪の毛の筆の線の形状が生理的に気持ち悪く、鳥肌ものだった。
主演のニコール・キッドマンもなかなか良い。どこか人間離れした不思議な表情を見せていて、何か生理的な不安定感を与える。やたらと部屋の鍵をしめるのだが、この行為がうまい具合に真相の辻褄を合わせていることにも感心。終わった後に残る何とも言えない物悲しさも良い。ホラー映画というものは元来はとても悲しいものなんだね。

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