ヴァンパイア最期の聖戦 (レビュー)

吸血鬼映画は永遠に滅びることはないだろう。毎度趣向を変えて、様々な吸血鬼映画が作られていくこの映画業界で、ホラー映画界の異端児ジョン・カーペンターが吸血鬼映画のジャンルの領域をさらに広げた。こうなるともう吸血鬼映画にジャンルの境界線などはない。
まずジェームズ・ウッズというくせ者役者の起用が嬉しい。そして木造の古くさい西部劇風のセットをこさえて、まるでサム・ペキンパーのような硬派な渋味で見せる見せる。ヴァンパイアにワイヤーの付いた槍を突き刺し、ワイヤーごと車でヴァンパイアを屋外へと引きずりだし、直射日光で焼き殺そうという大胆不適な戦い方が暴力的で良い。ラストシーン、太陽が照りつける空の下、ヴァンパイアになっちまった相棒を逃がす主人公の男臭さもサム・ペキンパーばりの粋な計らい。私的名作。いっそペキンパーに撮らせたかった。

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