ファインディング・ニモ (レビュー)
水槽の中から覗いてごらん
(米ピクサーブランド)
「トイ・ストーリー」の衝撃からだいぶ歳月が経ったが、いまだにピクサーのCG映像が心を揺さぶるのは、常にポイント・オブ・ビューを意識した映像に徹しているからだろう。ディズニー映画の諸作品では、あくまで観客は傍観者みたいなものであったが、ピクサー映画の場合は、観客は登場人物と同じ目線で映画の世界の中心に立たされることになる。アニメーション映画においては、これは珍しいことであり、日本のアニメでもあまり見られないスタイルである。水槽は外側から撮るのではなく、内側から撮る。自分が同じ立場に立っているから、CGの映像も目前に大きく差し迫って圧倒的だ。クラゲの大群や鯨の口の中が本当に怖いは、自分がちっぽけな魚と同じ目線だからである。上質な映像は、親子愛を描いた健全なる上質のストーリーに支えられ、内容と形式が見事な相乗効果を上げている。
最後に、キャラクターたちのおかしみたっぷりの「動き」についても褒めておきたい。ヤドカリやカモメなどは、動きこそがジョークみたいなものだ。
(米ピクサーブランド)
「トイ・ストーリー」の衝撃からだいぶ歳月が経ったが、いまだにピクサーのCG映像が心を揺さぶるのは、常にポイント・オブ・ビューを意識した映像に徹しているからだろう。ディズニー映画の諸作品では、あくまで観客は傍観者みたいなものであったが、ピクサー映画の場合は、観客は登場人物と同じ目線で映画の世界の中心に立たされることになる。アニメーション映画においては、これは珍しいことであり、日本のアニメでもあまり見られないスタイルである。水槽は外側から撮るのではなく、内側から撮る。自分が同じ立場に立っているから、CGの映像も目前に大きく差し迫って圧倒的だ。クラゲの大群や鯨の口の中が本当に怖いは、自分がちっぽけな魚と同じ目線だからである。上質な映像は、親子愛を描いた健全なる上質のストーリーに支えられ、内容と形式が見事な相乗効果を上げている。
最後に、キャラクターたちのおかしみたっぷりの「動き」についても褒めておきたい。ヤドカリやカモメなどは、動きこそがジョークみたいなものだ。