黄金の法 (レビュー)

エル・カンターレの歴史観
理由もなく行動するな
 「まんが日本昔ばなし」「タッチ」のグループ・タック制作アニメ映画。
 この作品ほど、作業的に見せられている気がした作品も珍しい。一種のプロパガンダ・フィルムだろうから、そういう風に作られていても不思議じゃないかもしれない。この映画の、最も大きな欠点は、動機付けの不確かさである。僕は映画で一番大切なことは、観客に思わず「なるほど」と言わせられる何かがあることだと思っているのが、これには「なるほど」がない。主人公達はタイムマシンにのってさまざまな時代を旅することになるが、その時代その時代に行く理由が曖昧で、いまひとつ「やらなければ」という気持ちが伝わらないのである。事故がおきて不時着したりするあたりも、ご都合主義でストーリーを進行しているような気がするし、伏線も貧弱だ。盛り上がるためには、何事にも、盛り上がるための心理的動機付けが大事だということが、これを見て僕は勉強になった。
(グループ・タック・ブランド)
★★1/2

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