皇帝ペンギン (レビュー)

ペンギンたちの冒険叙事詩
ペンギンって昔から可愛いと思っていたし、大好きな動物だったんだけれど、その生態を真面目に意識したことはなかった。だからこの映画は初めて知ったペンギン君の真の姿だ。これを見て僕はまたペンギンが好きになった。
これはドキュメンタリーではない。ドラマである。本物のペンギンたちを撮影して編集したドラマだ。だから、きちんとストーリーもあるし、盛り上げるところは盛り上げる。ドラマとはいえ、すべて実話をもとにしているので、描かれていることは事実だ。事実をいかにドラマティックに見せていくか、要はその見せ方がうまいから、この映画は面白い。ドラマを事実で包み込んだとでも書こうか。
カメラもかなり渋いアングルから撮っている。交尾のシーンなど、そのあまりのエロチシズムに生ツバがでた。何も飲まず食わず、ひたすら卵を温めつづける姿にも胸を打たれた。ペンギン社会はなんと過酷なのだろうと、何度も驚かされる壮絶なる冒険叙事詩だ。
雛もすごく可愛かったけど、僕が一番気に入ったのは、腹這いになって行進するけなげな姿だ。ぜひカップルで見に行って、この可愛いペンギン君の雄姿を見てもらいたい。

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