電車男 (レビュー)

これを見て僕も一回り成長しました
2ちゃんねるの掲示板の書き込みをもとにして作ったストーリー。小説・漫画・ドラマ・映画・舞台などその勢いはとどまるところを知らない。最近新聞などでもやたらと「オタク文化」と取り上げられることが多いが、思えば実際に映画の中で本格的にオタクを描いた作品というものがなかった。「電車男」は初めて正面からオタクを描いた作品だと思うし、やや誇張はあるが、非常にわかりやすい。わかりやすいから面白いのだ。オタクは見ただけでオタクとわかるし、オタクほどキャラクターのはっきりした人種はないと思う。この映画ではオタクをビジュアル化することで、絵に描きたくても描けなかった抽象的なものを具体化されたような気がして、何か気持ちがスッキリさせられた。しかもこれは普遍的な愛のドラマだ。もてない男が、一生懸命努力して、高嶺の花を射止めるという気持ちの良さ。それまで自分なんてどんな風に見られてもいいやと思っていた男が、初めて他人からどのように見られているのかを意識するという、誰しも共感できる思春期映画のようなストーリーである。だから「電車男」は受けたのだと思う。これがブームになるということは、結局僕らは誰しも根はオタクと同じだということだ。これを見てから、僕も「変わろう」と思った。一回り成長した気分だ。そんな勇気を与えてくれる映画だ。

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