コラテラル (レビュー)

二人の主人公の「自分哲学」が激突
毎日笑顔を絶やさず、ひたすらエンターティナーの道をばく進しているトム・クルーズの努力には感慨深いものがある。これで初めてトム・クルーズは非道な悪役に挑戦。マスコミに「アカデミー賞を狙う」などと宣伝されていたが、まさか共演者のジェイミー・フォックスが主演男優賞を取ってしまうとは。でもそんな不遇のトムが僕は大好きだ。これからも無冠の帝王になってもらいたい。僕は賞なんて俺には似合わないと仁王立ちしたトムの堂々たるダンディズムをこの映画の中に見た。だからこの映画はトムの映画だと言える。しかし、それと同時にジェイミー・フォックスの映画であるからこれは興味深い。ジェイミーは性格の良いタクシーの運転手役。ひょんなことから殺人事件に巻き込まれてしまい、悪役トムのお手伝いをやらされる羽目になる。途中で自分の人生にヤケになって暴走する姿に共感。アクションとしてもサスペンスとしても第一級だが、それ以上に二人の哲学対決が見ものだ。

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