エイリアンVSヴァネッサ・パラディ (レビュー)

フランス映画らしいオシャレなハチャメチャ
英断ともいえるこのふざけたタイトル。役名がタイトルになるのではなく、「役者名」をタイトルにしてしまう無茶苦茶なセンスは、いかにもトルネード・フィルムらしくて好きだ。このタイトルのイメージとは裏腹に、本編はフランス映画らしいオシャレ感覚に溢れたSF映画になっている。そのギャップに大感動したので、点数は高い。MTVっぽいスタイリッシュな映像で描かれる田舎町に突如宇宙人が襲来して対決するという話だが、宇宙人が出てくるのは最後の最後で、あくまでそれまでは田舎町で起きる珍事件をスケッチ風に描いているが、そのエピソードのひとつひとつがとてもブラックユーモア満載で面白い。宇宙人は最後に用意された大どんでん返しみたいな感じだが、ナンセンスなエピソードの羅列の締め括りに宇宙人に何もかもぶち壊してもらう荒々しさが爽快。田舎町でスーパーカーを走らせてナンパしまくる兄ちゃんが最後には宇宙人に寄生されて怪物化する一幕など、得体の知れない怖さがあって、凄まじい迫力だ。ラスト・シーンにもびっくらこきました。数ある激突ものの中でも、これほどスタイリッシュな映画は初めてだ。

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