ミッション:インポッシブル (レビュー)
Mission: Impossible
★★★★★
【PG-13】
<アメリカ/1996年/110分/サスペンス>
製作・出演:トム・クルーズ/製作:ポーラ・ワグナー
監督:ブライアン・デ・パルマ/脚本:デビッド・コープ、ロバート・タウン
撮影:スティーブン・H・ブラム/音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジョン・ヴォイト、エマニュエル・ベアール、ヴァネッサ・レッドグレーブ、
ジャン・レノ、ヘンリー・ツァーニー、ヴィング・レイムス、エミリオ・エステベス
ネタバレしまくってます
●スパイもののオマージュでいっぱい
興奮である。あの「スパイ大作戦」が映画になって帰ってくるのだから。ところが、これが豪華キャストの大物スター共演で、主演はトム・クルーズ(メガネ姿が知的!)。かなりハリウッド的な映画に仕上がっている。でも監督がパロディ描かせてピカイチのブライアン・デ・パルマなので、1シーン1シーンが懐かしく、スパイものに対するオマージュでいっぱいである。
あのかっこいいオープニング・シーンからいかにもスパイもののノリで、自動消滅するテープはもちろん、導火線、マイクロ・カメラ入りのメガネ、イヤホン式小型無線機、ガム型爆弾など、小道具もとてもユニークだ。
登場人物たちの行動もまさにスパイもののソレそのまんまであり、主人公が変装の天才だったり、特殊なボールペンで薬品を注入したり、黒服姿で吸盤を使って壁を登ったり、ソ連・イギリス・チェコと国際的に活躍したり、CDプレーヤーの中から拳銃を取り出したり、天井から室内に潜り込んだり(この部屋のセットデザインがたまらん)、とにかくスパイ・ファンなら嬉しくなるような細かい演出がたっぷり見られるのだ。
特殊チームが交錯しあい、二重スパイなどが登場して、裏切られたり、敵と勘違いされたりするあたりも、スパイものの王道であり、ノンストップにマニアックな演出が次々と展開するので、本当に飽きない。
侵入シーンや、ド迫力のアクション・シーンになるとラロ・シフリンによるテーマ曲が大音量で流れるところも非常にテンポがよく、鳥肌ものである。まさにスパイ映画の集大成といえよう。
●デ・パルマらしい丹念なサスペンス描写
監督にデ・パルマを起用したのは正解だったろう。シネマスコープサイズのスクリーンを考慮した斜めのカメラワークやクロースアップ、会話の中に自然にオーバーラップする回想シーンなど、実に丹念であり、上手い。
僕が一番感心したシーンは、主人公がIMFの管理システムについて説明する場面。システムがどれくらい厳重なのかを映像つきで見せていくのだが、この手法がいかにも探偵ものっぽくて僕は気に入った。
長回し撮影も見られるが、驚くべきショットは、空中から猛スピードで走る列車の窓へとしだいに近づいていくカメラ。アルフレッド・ヒッチコックが編み出したクレーンショットを彷彿とさせるが、いったいどうやって撮影したのかわからないほどスムーズで、とてもワンカット撮影とは思えない。
ヘリコプターのシークエンスは、スピーディさもさることながら、トンネルの中にするりと入る所も新しいアイデアである。その後主人公がスーパーマンみたいな大活躍を見せるのも映画らしくて最高。
最後に一言:あのテーマ曲が大音響で流れただけで感動して泣けてきた
★★★★★
【PG-13】
<アメリカ/1996年/110分/サスペンス>
製作・出演:トム・クルーズ/製作:ポーラ・ワグナー
監督:ブライアン・デ・パルマ/脚本:デビッド・コープ、ロバート・タウン
撮影:スティーブン・H・ブラム/音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジョン・ヴォイト、エマニュエル・ベアール、ヴァネッサ・レッドグレーブ、
ジャン・レノ、ヘンリー・ツァーニー、ヴィング・レイムス、エミリオ・エステベス
ネタバレしまくってます
●スパイもののオマージュでいっぱい
興奮である。あの「スパイ大作戦」が映画になって帰ってくるのだから。ところが、これが豪華キャストの大物スター共演で、主演はトム・クルーズ(メガネ姿が知的!)。かなりハリウッド的な映画に仕上がっている。でも監督がパロディ描かせてピカイチのブライアン・デ・パルマなので、1シーン1シーンが懐かしく、スパイものに対するオマージュでいっぱいである。
あのかっこいいオープニング・シーンからいかにもスパイもののノリで、自動消滅するテープはもちろん、導火線、マイクロ・カメラ入りのメガネ、イヤホン式小型無線機、ガム型爆弾など、小道具もとてもユニークだ。
登場人物たちの行動もまさにスパイもののソレそのまんまであり、主人公が変装の天才だったり、特殊なボールペンで薬品を注入したり、黒服姿で吸盤を使って壁を登ったり、ソ連・イギリス・チェコと国際的に活躍したり、CDプレーヤーの中から拳銃を取り出したり、天井から室内に潜り込んだり(この部屋のセットデザインがたまらん)、とにかくスパイ・ファンなら嬉しくなるような細かい演出がたっぷり見られるのだ。
特殊チームが交錯しあい、二重スパイなどが登場して、裏切られたり、敵と勘違いされたりするあたりも、スパイものの王道であり、ノンストップにマニアックな演出が次々と展開するので、本当に飽きない。
侵入シーンや、ド迫力のアクション・シーンになるとラロ・シフリンによるテーマ曲が大音量で流れるところも非常にテンポがよく、鳥肌ものである。まさにスパイ映画の集大成といえよう。
●デ・パルマらしい丹念なサスペンス描写
監督にデ・パルマを起用したのは正解だったろう。シネマスコープサイズのスクリーンを考慮した斜めのカメラワークやクロースアップ、会話の中に自然にオーバーラップする回想シーンなど、実に丹念であり、上手い。
僕が一番感心したシーンは、主人公がIMFの管理システムについて説明する場面。システムがどれくらい厳重なのかを映像つきで見せていくのだが、この手法がいかにも探偵ものっぽくて僕は気に入った。
長回し撮影も見られるが、驚くべきショットは、空中から猛スピードで走る列車の窓へとしだいに近づいていくカメラ。アルフレッド・ヒッチコックが編み出したクレーンショットを彷彿とさせるが、いったいどうやって撮影したのかわからないほどスムーズで、とてもワンカット撮影とは思えない。
ヘリコプターのシークエンスは、スピーディさもさることながら、トンネルの中にするりと入る所も新しいアイデアである。その後主人公がスーパーマンみたいな大活躍を見せるのも映画らしくて最高。
最後に一言:あのテーマ曲が大音響で流れただけで感動して泣けてきた