ブロンド・ライフ (レビュー)

正直男の「せめて一発」奮闘記
表向きは、美人キャスターが自分を見詰めながら出世していく女性映画だが、その見方はあくまで女性の立場からのものであって、男どもの立場から見ると、いわばこれは欲求不満奮闘記である。
職場でいつも会っている男と女。この女が妙に性欲をそそる。男はこの女に一度振られているため、女のことは少し憎たらしいのだが、それでも毎日会っているから、なんだか気になってしまう。男は何としてもこの女を一度だけでいいから抱きたい。そんなある日、女は一週間後に死ぬと予言される。タイムリミットはあとわずかだ。なんとしてもモノにせねば。しかし女は死を目前にしても男にはいっこうに振り向かない。減るもんじゃねえし一発くらいやらせろ。腑に落ちない気持ちが男の顔に正直に表れる。いっぽう女の方は、男に気があるのか無いのか、まるで顔に出さない。さて、男はいかにしてこの鉄壁を破ることができるのだろうか。つまりは精力促進映画である。当然、その達成感を疑似体験できるサービス付きだ。
クライマックスでは、案の定、男は女のことを愛していることに気づく。せめて一発という願望が恋へと発展するマジックを、この映画は実にバカ正直に活写している。

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