チャーリーズ・エンジェルフルスロットル (レビュー)

野郎どもより女たち
最近の映画のはやりは、ワイヤーやCGなどを駆使して、主人公が常識では考えられないとんでもないアクションを見せることである。ウソだと思っていても、観客は刺激と快感を求めて、そういった作品を見に行く。「チャーリーズ・エンジェル」は、それらと同じたぐいであるが、複数の女性たちが主演しているところに意味がある。
最近のメジャー作品に足りなかったのは女の活躍だった。次々と衣裳を替え、無茶苦茶なアクション・シーンを熱演するキャメロン、ドリュー、ルーシーの愛くるしさ、そしてデミの大人の魅力は、観客が渇望していたものを充たしてくれる。ダンスの振り付けのバカさ加減といい、その勢いだけで観客を乗せてしまう卑怯な戦術は、最後まで悩む余地を与えない。野郎だらけのアクション映画では決して得られない幸福感。もはや、ギャルたちがただキャーキャー騒ぐだけでも観客は喜んでくれる。そこにちょっぴり見え隠れするドリューの哀愁は、見終わった後、唯一の余韻を残す。
ひとつ不満を述べれば、一作目では無邪気に見えたおバカ騒ぎが、二作目ではあざとく見えてしまったことだ。

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