T-Rex (レビュー)

本作の醍醐味はそのシュールさにあるため、ストーリーのしょぼさは気にならない。とにかく観客を不思議の国へといざなうことが目的らしく、それはタイムトラベル・バーチャルツアーご招待映画みたいな趣向である。CGによる恐竜の3D巨大スクリーンの迫力は肌の質感からしてただごとではなく、あえて恐竜を静止させて立体映像をじっくりと観察できるようになっている。CGで作った映像だからこそ、実写にはできない工夫が加えられ、奥行きのある立体映像に仕上がっている。エイゼンシュタイン映画に出てくるような濃くのある顔つきのヒロインのアップ映像も表現しがたい驚きがある。3Dによるディゾルブやスローモーション、さらには遠景と近景の頻繁なピント移動などもあり、目の回路が錯乱してくるようで、もう麻薬的な内容である。

オリジナルページを表示する