平成狸合戦ぽんぽこ (レビュー)

高畑勲は偉大すぎる。投げ出しているのではないかと思われそうな内容だが、宮崎駿のナウシカやラピュタとはまるで違った面白さがある。将来、おそらく日本映画としてはもっともアングラな作品のひとつとして記憶されることになるだろう。まるっきしスタイルを変えて、それでいて失敗しなかった映画作家は世界でも数えきれるほどしかいないが、高畑勲もその一人に加えていいだろう。とにかく「思い切ったぞ」という感じである。狸が変化(へんげ)して二足歩行し、キンタマを巨大化させて人間様をぺしゃんこにする思いもよらぬ発想にはまいりました。ストーリーもいいが、視覚の刺激はもっと強く、次々とスムーズに変化していくバラエティ豊かな映像のイマジネーションにまたびっくり。

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