オーシャン・オブ・ファイヤー (レビュー)

男役者の登場!
作品の出来栄えは、まあ水準程度。そんなことより、とにかくこれは主演のヴィゴ・モーテンセンという役者について語らなければならない。この映画も彼なしにはありえない作品だった。ヴィゴは「ロード・オブ・ザ・リング」で「フロドのために」の名セリフを吐いて以来、着々と実力を上げているが、それと同時に彼の人柄も話題を呼んでいる。ヴィゴは一言で言えば「自由人」。好きなように自由気ままに生きていくタイプの男である。雑誌のインタビュー記事を読んだとき、裸足でラフなシャツを着ていた彼の写真を見て、僕はただならぬ開放感と尊敬を感じたものだが、「オーシャン・オブ・ファイヤー」は彼の自由さがそのまま映画になっているかのようであった。馬を愛し、最後までマイペースで走り続けたその男の生き様に目頭が熱くなった。マックイーン以来の「男役者」の誕生である。砂漠を走る男のロマンとか、ダンディズムとか、そんな恥ずかしい話を真顔でしたくなる映画だ。

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