幸せのちから (レビュー)

★★★★★

 これはただのサクセスストーリーではない。突然幸運が舞い込んだとかいった類じゃなく、地道に地道に努力して成功を掴む根性ドラマ。実話をもとにした正真正銘本物の武勇伝だ。
 主人公はありえないほどの貧乏人だ。アメリカ映画は星の数ほどあれど、彼ほど貧乏なアメリカ人はそうお目にかかれるもんじゃなく、映画慣れした僕にもこのキャラクターは新鮮に映った。車にはねられても、病院に行く暇もなく仕事をする。どんなに辛くとも、無駄口を叩かず、小さい息子の笑顔を励みに、精一杯1日1日を生き抜いていく。そのひたむきな姿に感服だ。水を飲む時間を割いてまで仕事に没頭する姿を見ていると、今の会社で「やってらんねえよ」と愚痴ばかりこぼしている自分が恥ずかしくなる。
 主人公にあるものは、行動力である。レントゲンみたいな装置のセールスを開業するあたり、一見すれば大馬鹿野郎に見えるが、何はともあれ自分でビジネスを開業したんだから、その行動力は大したもの。会社のお偉いさんを見つけて、ここはチャンスとばかりお偉いさんのタクシーに便乗したり、いくら貧乏でも、その積極的な心がけには、見習うべきものがある。
 ラストシーンは何たるさわやかな演出であるか。ホッと一息、大変気持ちよく映画を見終わることができた。僕はこの映画を見てひとつ決心した。僕もこの主人公みたいに、自分で会社を興すぞ! 無茶だと言われてもいいじゃないか。努力をすればいつかは報われる。
 僕の心をこんなにも動かしたこの映画は、僕にとっては★マークだけでは評価しきれない価値あるものだ。

今まで長く続けてきた「レビュー」コーナーは、これで終了にします。高得点をつけても好きじゃない映画もあれば、低く評価したのに大好きな映画もあり、映画を★マークで採点してしまうのは無理があると感じたからです。今後は「レビュー」に代わる新コーナーを新設予定です。お楽しみに!

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