グリーンマイル (レビュー)

The Green Mile
★★★★★

この映画はR指定です

<アメリカ/1999年/文芸>
製作・監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーブン・キング
出演:トム・ハンクス、デビッド・モース、ボニー・ハント、
マイケル・クラーク・ダンカン、ジェームズ・クロムウェル

ネタをあかしています

●「ショーシャンクの空に」スタッフ結集
 94年、フランク・ダラボン監督、スティーブン・キング原作の「ショーシャンクの空に」が大絶賛された。そしてそれから5年、同じくフランク・ダラボン監督、スティーブン・キング原作の映画が作られた。それがこの「グリーンマイル」で、アカデミー賞では最優秀作品賞にノミネートされ、再び高い評価を得た。
 刑務所を舞台にした3時間の長尺映画だが、普通こうも長いと、退屈なシーンも出てくるはずだが、この映画の場合は、ファンタジックな要素を導入したり、愉快なエピソードをちりばめたりしているので、3時間ずっと飽きることなく、ゆっくりとくつろぎながら楽しむことができる。テレビの連続ドラマのような取っつきやすさがあるのだ。原作は分冊で発売されたのにも関わらず、全巻ベストセラーとなったが、それも連続ドラマ的な面白さを保っていたからではないだろうか。
  

●場面のアイデアがユニーク
 しかしながら、この映画の1シーン1シーンがどれだけ新しい発想に満ちていることか。どのシーンも、他の映画では見られなかった印象を与えてくれる。あの刑務所のセットだけでも、どこか映画的興奮を与えてくれるが、ネズミ(このネズミが一番の名役者だった!)が出てきて、囚人と仲良くなるところも、面白い発想だし、わがままな看守(この看守、憎めないんだよね)が子供っぽい好奇心で電気椅子のスポンジを濡らさないでおくところも、「キング考えたな」と感心してしまう。主人公があそこが痛くておしっこできないところも上手いアイデアだし、キングのこういうイマジネーションには本当に頭が下がる。そういう豊富なエピソードと絡めて、不思議な力にまつわるドラマをきちんと見せていくシナリオはまさに素晴らしいの一言だ。
 僕はラストのエピソードが凄く好きである。主人公が不死の身になっていたという落ちは、何と予想外の展開か。またネズミも一緒に不死になっていたというのがニクイ。キングの映画としては、もっとも忘れられないラストシーンだといえるだろう。
  

最後に一言:リタ・ヘイワースの次はフレッド・アステアか

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