ロック・ハドソン (今週のスター)

初めてエイズで他界したハリウッド・スター
 こんなにセクシーでイイ男がエイズで死んでしまうなんて・・・。全米がハドソンの死にショックを受けた。50年代から60年代にかけては、青春映画やロマンチック・コメディで女性ファンのハートを射止め、ハリウッド大富豪番付に名前を連ねるタフガイであったのだが、女性を温かく包み込むそのイメージとは裏腹に、彼はプライベートではホモであることを隠し続けていた。その葛藤が彼の人生を延々苦しめた。まだホモが市民権を得ていなかった時代である。真実が発覚すれば、役者生命も終わる。スターを売り物とするハリウッドのビジネス体制の中で、ハドソンは年々衰弱していく。彼がエイズと診断されたのは1984年。その年テレビドラマに出演するも、気力不足で、視聴者は「もしかしたらエイズか?」と噂する。諦めたハドソンは85年「この原因不明の病気の究明に一役買えれば」とついにエイズを公表し、一面ニュースとなる。彼が亡くなるのはその2ヶ月後である。この時、全米が停止した。葬儀の司会は「ジャイアンツ」(56)で共演したエイズ撲滅運動支持者のエリザベス・テーラーであった。遺骨は海に散骨された。その翌年に発表された自伝は、ホモと気づかれないようにふるまったハドソンの奮闘日記とも言い換えられる。
 主な出演作は「心のともしび」(54)、「風と共に散る」(56)、「武器よさらば」(57)、「ガン・ファイター」(61)、 「恋人よ帰れ」(61)、「男性の好きなスポーツ」(64)。

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