レナ・オリン (今週のスター)

アメリカで悪女になったスウェーデン人
 いまさら隠すまでもないけど、僕はおばちゃんスター大好き男です。いい女だらけのスウェーデン映画界では、レナ・オリン様は別格の美女で、本気で好きなおばちゃんスターですな。かつてベルイマンの映画・舞台に出ていたが、アメリカで「存在の耐えられない軽さ」(88)、「敵、ある愛の物語」(89)と話題作を連発して、すっかりおなじみになった。スウェーデン時代は、ごく普通の女の子の役どころで、刺激もなく、別段美人の役でもなかったが、アメリカが彼女を美しい悪女へと変えた。
 先日テレビ放送された「ナインスゲート」(99)の効果があったのか、巷でにわかに人気が上昇している様子だ。たしかに、葉巻をふかしながら、やおら主人公の逸物に手をあてるシーンは、どっきりもんでした。かと思うと主人公に噛みついて、やるもんです。
 スウェーデン女優は、あでやかでミステリアスといわれているけど、レナ・オリンはまさにそう。髪は黒で、服装は赤か黒。男を虜にするサド的な役を演らせれば名作が一本できてしまうほどで、とくに「蜘蛛女」(93)の衝撃は鮮烈に記憶されている。男性映画ファンとしてはやはりレナ・オリンから発せられるエロチシズムを一番に期待するわけだが、くせ者揃いの「ショコラ」(00)では、打って変わって色気のないマゾ的な役柄もこなしており(監督が連れのラッセ・ハルストレムだからか?)、今後も何かやってくれそうな性格俳優である。

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