リチャード・ドレイファス (今週のスター)

最年少でオスカー受賞したけれど
 この人はアカデミー賞の主演男優賞を最年少で受賞した人。今ではもうだいぶ老けちゃって、すっかりおじいさんになっちゃった。この前「ポセイドン」(06)を見たときには老け具合に驚いた。これで最年少なのか?といいたくなるが、彼がニール・サイモン脚本の「グッバイガール」(77)でアカデミー賞を受け取ったときは30歳。30歳でも最年少になっちゃうんだから、アカデミー賞の世界は意外である。ハリウッド映画は30歳以上の俳優たちに支えられているものだと痛感してしまう。あれからもう30年。早いものである。とはいえ他の俳優に比べると老けすぎな気もする。
 思えば、彼は急激に老けていった気がする。「アメリカン・グラフィティ」(73)のときはそりゃ若いけど、「未知との遭遇」(77)で早くもオヤジ化したか。「張り込み」(87)みたいにオヤジなりの良さを出したものや、本編の大半がフラッシュバックという「スタンド・バイ・ミー」(86)みたいにノスタルジックに決め込んだものもあった。「のるかそるか」(89)にもなるともうオヤジ臭さ丸出しである。
 ドレイファスはスピルバーグ映画の常連としても有名だ。人食い鮫との死闘を描いた名作「ジョーズ」(75)には3人の主人公が登場するが、3人の中で僕が一番好きだったのがドレイファスだった。彼は89年にはスピルバーグ唯一の恋愛映画「オールウェイズ」にも出て、オードリー・ヘプバーンと共演した。
 僕がドレイファスを見直すきっかけになったのは、「陽のあたる教室」(95)を見たときだ。まだ映画を好きになって間もないころ、「自分は映画が好きなんだ!」と確信させられた映画だった。僕はこういう学園ものに弱く、当時映画を見て泣くことがなかった僕でも涙した。僕を音楽好きにしたのもこの映画のお陰かもしれない。そんなわけで、「陽のあたる教室」は一番のおすすめです。

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