『3.11 後を生きる』東日本大震災について語る

『3.11後を生きる』

3月2日(土)、オーディトリウム渋谷にて、ドキュメンタリー映画『3.11 後を生きる』のトークイベントが行われ、中田秀夫監督と、映画の中でインタビューに応えている岩手県の漁師・五十嵐康裕さん、俳優の永瀬正敏さんが登場した。

『3.11 後を生きる』は、震災後を追ったドキュメンタリー。津波で家族5人を全員失った五十嵐さんを中心に被災者にインタビューしている。

永瀬さんは、五十嵐さんをモデルにした『四苦八苦』(世界9国を代表する監督がメガホンをとったメキシコのオムニバス宗教映画『Words with Gods』の日本編)に出演している縁から、このトークイベントに呼ばれた。

永瀬さんは、被災地で被災者と出会い「一生懸命映画をやってください。僕たちは頑張って映画館をまた作ってるんで、映画をそこに持ってきてください」と言われて、逆に勇気をもらったと言う。「目の前の光景が信じられなくて、映画のセットに連れて来られたみたいでした。気持ちをつなげることが難しくなっちゃって、一回客観的にならなきゃいけないなと思って車に乗せて見せてもらったんです。そこで現実を目の当たりにしました。街にはまったく何もなくて、車のナビゲーションは”300メートル先のコンビニエンスストアを右です”って言ってるのに、そこにないわけですよ」と振り返っていた。

この前日まで台湾にいた永瀬さんは、「台湾では日本は復興したものと思われていた」と話していた。しかし、五十嵐さんは今も仮設住宅で生活をしており、魚の値が下がったことから漁業も休業している。「復興にはまだまだ10年・15年はかかると思う」と五十嵐さんは言う。

マスコミ向けの写真撮影では、永瀬さんは、この映画の主役は五十嵐さんであり、五十嵐さんこそが中央に立つべきだとし、遠慮する五十嵐さんの背中を押して立ち位置を譲っていた。

『3.11後を生きる』はオーディトリウム渋谷で現在公開中。

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2013/03/04 6:21

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