『拡散性ミリオンアーサー』2月の大型アップデートのよもやま話
以前このサイトでも何度か紹介させていただいた、スクウェア・エニックスのスマートフォン向けゲーム『拡散性ミリオンアーサー』(以下『MA』と略す)。最近またかなり大型のアップデートがあったが、言いたいことがいくつかあったので、またここに記事にさせてもらうことになった。なんだかんだ言って、筆者がiPhoneのアプリで一番長時間起動しているのはずばりこれで、結局何をやっても最後にはまたこれに戻ってくる。それだけ安定したゲーム性と、ユーザーを離さない魅力を持ったゲームなのである。
しばらくぶりの『MA』の記事なので、その間にあった過去のアップデートのことについても2点ほど触れねばなるまい。
『MA』はスマホゲームにとって、その模範ともいえる良質なアップデートをしてきたアプリである。
その詳細を話す前に、まずは初めて記事を読む人のために簡単にゲーム内容を説明する。一言でいえばこれは『アーサー王伝説』をモチーフにしたカードゲームである。だが、改めてこのゲームを続けている目的は何かと問われると、多くのユーザーはもうこれが生活の一部になっているので、「はて?目的は何だったかな」と思ってしまう。例えば、ゲームを進めて可愛い女の子のカードを集めて収集欲を満たして行く、そんな表現がしっくりくるゲームか。課金しなくてもレアカードは出るときは出るものだ。友達が羨ましがるカードをゲットして優越感に浸ることが『MA』最大の楽しみ方といえる。空き時間に遊べるゲームなので、仕事の合間にトイレに隠れてちまちまやれるのが利点だ。
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カードレベルの限界突破
過去、これはスゴイぞと思ったアップデートは2点ある。まず1点はカードレベルの限界突破である。同じカードを複数掛け合わせるとより強くなるというシステムだ。これは当初は賛否両論だった。弱いカードをかけあわせれば入手困難なレアカードに匹敵する強いカードを作れることが懸念されていたからだが、それは杞憂に終わった。今となってはこれこそが『MA』最大の魅力ともいえるものになっている。お陰でかなり面白くなった。以前はレアカードはゲットした時点で収集欲は満たされたものである。以前なら同じカードが2枚出てもゴミでしかなく何か運を無駄に使った気になったものだが、限界突破のシステムが導入されてからは、そのレアカードにもまだまだ育てがいができたのである。1枚ゲットしたらぜひ同じカードをもう1枚!と熱くなってくるのである。
ボスキャラの覚醒
もう1点は、ボスキャラの覚醒システムである。以前はボスキャラを倒しても単に報酬が得られるだけだったが、覚醒システムが導入されて、ボスキャラを倒したあと、一定の確率で覚醒するようになった。通常のボスよりもかなり強めではあるが、これを倒せば強力なカードを入手できるかもしれないのだ。さらに覚醒ボスの発見者とトドメをさしたユーザーには報酬が倍与えられることから、ボス戦がかなり白熱したものになった。さきほどの限界突破と共に、スマホゲームの模範ともいえる良質なシステムアップデートだったといえよう。
今回の大型アップデート
前置きが長くなったが、いよいよ本題に入る。さてさて今回のアップデートだが、これほど大型のものは過去なかっただろう。スクウェア・エニックスがいかに力をいれたか、その意気込みが伝わってくる内容だった。しかしそれは技術的にデリケートなアップデートともいえるものだったので、導入日のメンテ時間は終了予定時刻を大幅に延長してしまった。なんとかオープンしたものの、その内容はユーザーがどうしていいのか戸惑ってしまうほどあらゆるところで新しくなっていた。
新たに導入されたシステムは、インタフェースの快適化と、「騎士団」と「パーティー」のシステム、そしてストーリーのフルボイス化である。
「騎士団」システム始動
「騎士団」、「パーティー」とはいわゆる同盟のようなものである。以前から「フレンド」という機能があったが団結が重視されるものではなかった。自分が時々「フレンド」に助けられたり、逆に「フレンド」に助太刀することはあったが「フレンド」はあくまでも1人対1人の関係だった。それに対し「騎士団」というものは30人の「パーティー」が集まって輪となり皆で手を取り合ってライバルの「騎士団」と総合得点を競い合うものである。「フレンド」システムは自分個人の利益のための戦いだったが、「騎士団」は「仲間たちと共に勝利を分かち合いたい」、つくづくそうと思わせる熱いものである。短時間で連続攻撃するとボーナスが得られるので、より連帯感が深まる。午前2時から午前5時までは準備時間になるので、その間は「騎士団」システムが休止するが、これは熱中しすぎて仕事に支障を来たさないための運営側の配慮であろう。
通信エラーについて
「パーティー」と聞くと、ゲーム好きの人ならウキウキしてくるものだが、このシステムが最初の数日間、トラブル続きで大問題になった。スクウェア・エニックスはその理由を特に述べていないが、おそらくはデータベースの負荷によるものだと思われる。それは負荷障害としてはおよそ最悪と言えるものであった。なにしろ何もできなくなるのだから、こうなるともうゲームとして破綻している。朝5時の時点では問題がなくても、どんどんデータが蓄積されて夕方ごろになると不安定になり、夜にはまったくゲーム画面が開かない有様だった。しかもエラーメッセージが「通信エラーが発生しました。電波状態の良いところに移動してください」とまるで筋違いのもので、これに腹を立てて引退を考えたユーザーも少なくなかった。
あまりにも大型のアップデートだったためにシステムが追いつかなかったということである。ユーザーが100万人もいるわけだから、こればかりは負荷テストではうまくいっても実際どうなるかはやってみないとわからない。裏を返せばそれだけ人気があるということである。
最悪の状態が数日続いていたが、ついに問題点を解消したようで、以前のように快適に動くようになった。こうしてようやく本来スクウェア・エニックスが意図していた新システムの真価が発揮されたわけである。結論からいえば、今回のアップデートもグッジョブだったといえる。短時間でよく改修できたものである。筆者はますますこのゲームが好きになった。さすがはスクエニ!としか言えない。
よりソーシャルゲームらしく
『MA』は「パーティー」システムが導入されたことで、格段にソーシャルゲームらしくなった。チャット機能とも連動しており、アプリを開いたままチャット画面が開ける。チャット画面に行くと、すでに「パーティー」のメンバーたちのチャットルームが自動生成されている。以前の「フレンド」システムでは他のユーザーとコミュニケーションをとろうにも文字数の制限があったりとなかなか厳しかったが、今回のシステムでは、「パーティー」同士で長文の会話ができるようになった。画像をアップロードすることもでき、朝まで語り明かすこともできる。これは楽しい。『MA』もこれでようやく本格的に他のユーザーとコミュニケーションを取り合いながら連携プレイができるようになったのである。これは大きな成長である。
メインストーリーのフルボイス化
さて、もうひとつの大型アップデートがメインストーリーのフルボイス化である。これはゲーム発表当初からスクウェア・エニックスが課題として抱えてきたことだが、1年がかりでようやく実現した。公式サイトでは声優の名前でさんざん宣伝しておいて、今の今までまったくキャラクターが喋らなかったのだから、これはずいぶんと声優ファンを待たせたものだ。今思い出せば、筆者もこのゲームを始めた最初のきっかけはガウェイン役の声がディカプリオの声でお馴染みの浪川大輔だということだった。
実は楽しみを取っておいて、今までストーリーは飛ばしてちゃんと読んでなかったのだが、昨日ストーリーを全部フルボイスで最初から最後までじっくり鑑賞してみた。これは予想以上に良かった。キャラクターの声はどれも役に合っていたし、ケレン味があってかっこよかった。全部で5時間か6時間はあったと思う。ロールプレイングゲームの王道的なストーリーには子供のようにワクワクさせられた。改めて『MA』の世界の原点に帰れて胸に熱いものが迫ってくるものがあった。
『アーサー王伝説』からよくぞここまで世界を膨らませてくれた。ストーリーの細かいところまで設定がなされてある『MA』のその深い世界観には圧倒された。キャラクター同士の相関関係など、「なるほど、こうなってるのか」と言わせる場面も多かったし、ますますキャラクターに対する愛着が生まれた。面白いのは、主人公の派閥で微妙にストーリーが違っていたことだ。その違いを探すのもまた楽しかった。アーサー各々がそれぞれの道を歩む第7章あたりは話術の妙味ここにありといえる。
『MA』の魅力とは
筆者は最初に『MA』にはユーザーを離さない魅力があると書いた。あらためて『MA』ってここがすごいんだよなと思うところを考えてみたが、そのすごさのひとつは、すべてのユーザーが同じ世界に共存していることなんじゃないかと思う。普通のネットゲームならワールドを分けたり期ごとにリセットしなければバランスが崩壊してしまうものだが、『MA』はレベルの違うユーザーが共存しており、その世界で今も成長を続けている。レベル60の人がレベル120の人よりも強いことだってざらにある。このゲームバランスは『MA』の誇るべきところなのでぜひとも守り抜いていただきたいと願う。
そして、なんと言っても最大の魅力はカードデザインに尽きると思う。そのデザインのクオリティは他のゲームを軽く凌駕している。そして何より日本的で洋ゲーっぽさが微塵もない。筆者がこのいかにも日本のアニメカルチャーテイストなイラストをこれほど愛でるようになったのは学生のとき以来だ。これがだいぶ下ネタに走ってきて、強くなるほど肌の露出度もアップするという、だんだんカードの表現がやばい具合に限界突破しそうだが、そこもまた『MA』の良いところで、毎回新カード登場時にはその「見せ方」に友達と爆笑させてもらっている。スクウェア・エニックスの会議室で、男たちが集まって、ゲラゲラ笑いながらカードのデザイン案を決めている様子が生き生きと目に浮かんでくるようだ。
このゲームの招待コード 「52cdc」
今回あらたに登場した「騎士団」バトル。最初は戸惑うかもしれないが、慣れればどうってことないぞ。
2月から新しくなったカードデザイン。特効5倍など一目でわかるようになったのでデッキの組み合わせも、より直感的にできるようになった。
ライバルの騎士団と「貢献度」という名の点数を競い合う。先月までは1人パーティーの戦いだったけど、これからは仲間たちと一緒だ!
ボス戦では直近のログが閲覧できるようになった。古き良きRPG風のログだ。これで連続攻撃の作戦も立てられる。「パーティー」の活躍具合も一目瞭然だ。
チャット機能と連動しており、「パーティー」と作戦がじっくり練られるようになった。気が合えば普通にリアルな世間話で盛り上がってもよい。
今回初めてストーリーに声が入った。声優の演技は絶妙! グィネヴィア萌え〜!
最後になったが、これからこのゲームを始めようと思っている人のために招待コードを掲載しておく。筆者の招待コードは「52cdc」です。ユーザー登録時にこの招待コードを入力するとスーパーレアカードがもらえちゃう! 招待した方も招待された方もスクエニもみんながハッピーになれるこれぞWin-Winのビジネスモデルってか。スマホゲームの模範とされる所以はここにもあったのだ。(澤田英繁)
使用している画像は『拡散性ミリオンアーサー』の画面になります。
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2013/02/10 7:40