橋本愛、怒ってるの?『さよならドビュッシー』初日
1月26日(土)、新宿にて『さよならドビュッシー』の初日舞台挨拶が行われ、橋本愛、清塚信也、ミッキー・カーチス、泉沙世子(主題歌)、利重剛監督が登壇した。
”音楽ミステリー”という新たなジャンルを築いた『さよならドビュッシー』。本作で橋本愛が演じるのはピアニストになる夢を追うヒロインである。
橋本は、客席のファンから「おめでとう!」と声をかけられ、「何がおめでとうなんですかね?」と首をかしげ、「あっ初日がおめでとうってことか!」と自分で納得。さっきまでしゃっくりが止まらなかったそうで「大丈夫です。止めてきました」と話していた。橋本愛はいつも舞台挨拶ではこんな感じだが、この性格が多くのファンを引きつけている。
『のだめカンタービレ』で玉木宏のピアノを吹き替えていたプロ・ピアニストの清塚信也がこの作品で俳優デビューした。清塚は「もとから芝居がかってるのでなんとか乗り切れました」と挨拶。ミッキー・カーチスに「どうよこりゃ。初映画出演、初役者だよ。このルックスであれだけピアノ弾けて演技できて、そうとう悪いやつだよ」とまで嫉妬させた実力の持ち主である。しかし、撮影中は橋本愛の表情に一喜一憂した様子で、橋本愛の印象について次のように詳しく語ってくれた。
「初めての俳優経験でしたが、緊張というのはなくて、唯一緊張したとしたら、橋本愛さんがすごい目力でにらんでくるんで、怒ってるのかなと思うことはありましたけど」
これにはミッキー・カーチスも同意して「俺もずっと怒ってるのかと思った」とのこと。たしかに橋本愛は目が大きくて目力がある女優である。
さらに清塚は「みんなが近寄り難いといっている中、すごい僕はアプローチするんですけど、10回に1回か2回くらいいい反応があるんです。ほとんどがスルーされるから、いつも怒らせたのかなと心配してるんですけど、ときどき本当に優しい笑顔を見せてくれてるんです。すごいキラッという感じで。ロシアの冬みたいに一瞬だけ太陽が出た後に沈むみたいに。”あ、笑ってくれた”と思って、元気良く話しかけてみたら、もうスイッチが変わってて冷たくなって、僕のM的な部分を開発してくれた素敵な方です。愛と憎しみは表裏一体なんだなと思った」とコメントしている。これに対して橋本は「意識してるわけじゃないです。仕方なかったんですよ」と苦笑いしていた。
橋本は、この作品に携わったことについて「8/1から22か3まで撮っていただいたんですけど、その間にあたし結構ボロボロな人間性だったんですよ。自分がスタッフさんだったらこんな女優嫌だという人だったんですよ。自分で自分を好きになれなかったというか。そんなときに監督はいつも笑顔でずっと現場にいてくださってて、でも私はもっと監督の怒った顔を見たいという欲求が強くて。別にMというわけじゃないんですよ! でもずっと笑っていてくださって。映画を見終わったあとに初めて米粒みたいな自分を高いところからずっとみていてくれていたんだなと思って。感謝の気持ちで涙が出たのは初めてでした。私はこの映画を見て、足首についてる重りを取ってもらったような、小さなお手伝いをしていただいたようなそんな感覚を覚えました」と話していた。
これに監督は「光栄です。現場ではいっぱいお喋りをせず、肉体的にも精神的にも困難な試練を乗り越えてがんばる役なので、ピアノも練習しなきゃいけないし忙しい中大変な精神状態でいるのはわかったので、そっとしておいたところが多かった。あとがんばったのを丁寧に編集してまとめあげるのが僕の務めだったのでできあがって喜んでくれたのがすごく嬉しかったです」と嬉しそうに答えていた。
『さよならドビュッシー』は、新宿ピカデリー他、全国ロードショー中。
2013/01/27 20:00