『FASHION STORY -Model-』本田翼、映画デビュー
11月17日(土)シネ・リーブル池袋にて、『FASHION STORY -Model-』の初日舞台挨拶が行われ、本田翼、河北麻友子、東野佑美、大島なぎさ、福間文音、カロリナ、池田光咲、中村さやか監督が登壇した。
『FASHION STORY -Model-』は、モデル業界の日常を描いたセミ・ドキュメンタリータッチの青春映画。各方面から注目されている本田翼(non-no)、河北麻友子(ViVi)の他、人気の現役ファッションモデルが豪華共演している。出演者たちがガールズトークしているときにも常に数台のカメラが回っていて、とくに事件が起こるでもないが、ありのまま、モデルたちの素顔が生き生きと描かれている。
舞台挨拶では、モデルたちが、映画館の通路をランウェイに見たててコレクションショーの雰囲気で登場して盛り上げた。
本田翼にとって、本作は映画デビュー作となった。「まだ自分も演技始めて間もない頃だったので恥ずかしいという気持ちもありますが、ぜひ見ていただきたいと思っています。役がモデルというところで共通点は多かった。素でいるところ、飾らないところは自分にも似ています。大好きな先輩モデルとかいて、その人の前で緊張したこととか素でやりました」と話していた。
この映画はモデルたちの映画であると同時に、ある意味では中村さやかという新人映画監督が映画を完成させるまでを追った記録映画としての側面もある。中村さやかは、佐々部清監督に師事し、『三本木農業高校馬術部』、『日輪の遺産』など数々の映画に助監督として参加してきた。助監督生活は10数年にも及ぶが、彼女がついにこの作品で念願の監督デビューを果たしたのである。
中村監督は「デビュー作は一生に一度の経験」と言い、本作にかける思いは人一倍大きかった様子で、舞台挨拶では感極まって涙を流したほどである。客席には監督を支えてきた仲間たちが「中村さやか監督」というキラキラのプレートを掲げ、「監督!」と声援を送るという微笑ましい光景も見られた。
中村監督はこの映画のために600人の現役モデルと会ってキャスティングしたという。選ばれたモデルたちは中村監督と交換日記を重ねて、ワークショップにも懸命に励んだといい、監督は「ほんとうに皆さん、一生懸命がんばってくれて、最高の子たちだなと思っていました。大好きです!!」と熱く語っていた。中村監督はいかにモデルたちの日常を生き生きと描くか、そこに最も力を入れたのだという。
10数年間の助監督の下積みから、監督デビューした、その思いもこの映画に込められているという中村監督。「みんなも本当に私の思いに応えてくれました。アップで映るとかそういうのに関係なく本当にがんばってくれて、本当にこの映画に関わった皆さんに感謝しています」と謹んで挨拶し、登壇したモデルたちも「ほんとうにみんながんばったよね」と讃えあった。それはまさに、この映画が女性たちの絆によって築き上げられた作品であることが十二分に伝わってくる舞台挨拶だった。(澤田英繁)
2012/11/18 23:10