Superfly 4thアルバム『Force』リリース記念フリー・ライブ レポート
9月19日(水)、4作目のアルバム『Force』(ワーナーミュージック・ジャパン)をリリースしたSuperflyが、代々木公園にてフリーライブを行った。Superflyはこれまでのアルバムでもリリース日にフリーライブを行っており、今回で4作目なので4回目の開催となる。デビュー5周年記念も兼ねたライブとなり、会場には2万人のオーディエンスが集まった。シネマガも取材させてもらったので、イベントの様子を筆者の感想も交えてレポートしたいと思う。
この日はパソコンで何かサイトを開けば必ずSuperflyの『Force』の広告が出てきた。かなり色々なメディアで宣伝していたようだが、渋谷のスクランブル交差点でも、Superflyの『Force』の広告がデカデカと視界に入ってきて、会場に着く前から気持ちがどんどん高揚していったものである。
会場に着くと、すでに大勢のファンで埋め尽くされていた。枠内の整理券を配った人の分だけでも15000人いたそうで、さらに枠の回りもかなりの人が集まっていたので、少なくとも2万人以上がこの場所に詰めかけたことになるだろう。Superflyともなると、野外ステージも、まるでスタジアムだよ。
ステージは最初は全体がカーテンに覆われていて、カーテンには『Force』のジャケット写真がプリントされてあった(このジャケットデザインがまた秀逸なんだよな)。会場には、キャロル・キングやフリートウッド・マックの曲がBGMとして流れていたが、19時になると、カーティス・メイフィールドの曲がかかって、これはいよいよ始まるなというムードになってきてオーディエンスが手拍子を始めた。そしてカーテン上に逆光スポットライトの大きなシルエットでSuperflyが登場した。ここで大歓声! カーテンが下ろされ、一発目『Force』からライブは幕を開けた。
Superflyが会場に代々木公園を選んだのには理由がある。最初のアルバムを出したときにフリーライブを行った場所がここだったのである。今回は5周年なので、原点回帰の意味も込めてまた代々木公園に戻ってきたのである。Superflyも特別な思いがあってライブを行っていたようで、志帆は最初のライブを振り返り、「本当に本当に初めてのライブイベントだったので、どのくらいのお客さんが来てくれるのかわかんなかったんで、最初のライブのときはめちゃくちゃ緊張してしまって、ステージにあがったときに、お客さんがわーっと集まってきて、感極まって泣いてしまったんですけど、5年ぶりの今日は、きちっとみんなの前で、強い気持ちで歌いたいと思います。なので、盛り上げ倒したいと思うので、最後までよろしく!」と話していた。
ライブは、Ustreamやニコニコ動画など、インターネットでも中継された。これも十数万人が視聴したらしく、同時に15万人がSuperflyに注目していたと思うと冷静に考えて驚いてしまう。志帆が「パソコンの前でもSuperflyのライブを楽しんでくれてるお客さんもいると思うんですけど、この会場の雰囲気がパソコンの前にも伝わればいいなと思います。ものすごい熱気です!」とか「パソコンの前も盛り上がっていると思います」とか、中継を見ているファンのためにもコメントしていたのが面白かった。
『Force』のリリース日のライブということで、歌った曲の大半は『Force』からの曲である。「最高傑作!4th(フォース)にして最強(フォース)。Superfly史上最強のロックアルバム誕生!」というのがキャッチフレーズで、Superflyも「これまでで最高のロック・アルバムができた」と胸を張っている作品だ。筆者はこれを聴いて、Superflyのいいところはバンドサウンドにあることを改めて再確認した。バンドサウンドを追求しているので、スタジオ収録でもライブのような臨場感と音の厚みがある。非常にライブ向きに作られていると思う。今回のフリーライブでは歌わなかったけどアルバムに入っている『愛をくらえ』のカッチョよさと言ったら、これはぜひ聴いて欲しい。
しかし、このライブ、タダなんてレベルじゃないよ。1時間と短めだったとはいっても、これは有料で見てもおかしくない豪華さ。しかもオールスタンディングだからオーディエンスの熱気がただもんじゃなかった。新曲だけでなくスタンダードも歌ってくれて、『Alright!!』のイントロがかかったら、もうオーディエンスもさらに前に詰めかけ、かっこいいリフに乗ってパワーもみなぎる感じである。”ナーナナ”のところでは2万人みんなで腕をあげて大合唱して本当に気持ちよかったな。これを歌い終わった後、志帆も思わず「最高」とつぶやいて、本当に嬉しそうだった。
それにしても、志帆のMCが可愛かったこと。曲と曲の合間のMCがなぁんか見ていて癒される。良い感じのMCなので引用しておく。
「ね。本当に暑いですね。今日雨かと思って。ね。晴れ男晴れ女が多いのかな?(会場歓声) みんなが願ってくれたお陰で、今日バッチリ、ライブ中は晴れております!(会場歓声) 昨日は雷が凄かったから。いつもリリースライブのね、前の日とか当日は雨が降って、本番は晴れるっていうことが多かったんですけど、今回は本当にやばいかもしれないと思って。ひたすら晴れるように願っていたんですけど。本当にね。見事にさっき、夕焼けがすごく綺麗でしたね。虹もちょろっと見えてね。最高のシチュエーションです! みんなのお陰です。ありがとう!(会場歓声) 本当に今年もこうやってアルバムも出して、アルバムのリリースと一緒に皆さんとお祝いができて本当に幸せです。ありがとうございます! 今日はとにかくみんなに5周年の感謝の気持ちしっかり届けられるライブにしたいなと思ったので、いっぱい”ありがとうありがとう”って言うかもしれないけど。受け止めてね(会場歓声)」
この最後の「受け止めてね」というときのちょっと照れたような声には思わず胸キュンしちゃったファンも多かったのでは。
アンコールでは『愛をこめて花束を』を会場の全員で大合唱。「『愛こめ』をこんなにみんなで歌ったの初めて。すごく感動しました」と志帆もかなり感激していたようで、このときの志帆がまた本当に幸せそうな良い表情で笑っていて、その笑顔を見ているこっちも元気をもらった思いである。本当に良いものを見せてもらった。次は35公演ホールツアーが待っているぞ。(取材・澤田英繁)
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セットリスト
タイトル | 収録アルバム | |
---|---|---|
1 | Force | Force |
2 | No Bandage | Force |
3 | The Bird Without Wings | Force |
4 | 919 | Force |
5 | 平成ホモサピエンス | Force |
6 | Alright!! | Box Emotions |
7 | 輝く月のように | Force |
8 | タマシイレボリューション | Mind Travel |
encore | 愛をこめて花束を | Superfly |
【Superfly バンドラインナップ】 越智志帆 (Lead Vocal) 八橋義幸 (Lead Guitar) 昼海幹音 (Lead Guitar) 種子田健 (Bass Guitar) 小田原豊 (Drums) SUNNY (Keyboards) オオヒナタハルコ (Background Vocal) |
2012/09/20 4:59