TM NETWORK 武道館の興奮が蘇るライブシネマ
去る9月14日(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、12日から公開中のライブシネマ『TM NETWORK CONCERT -Incubation Period- LIMITED EDITION』の舞台挨拶が行われ、TM NETWORKを代表して小室哲哉(53)が登壇した。
今年本格的にライブ活動を再開したTM NETWORK。ライブシネマとは、ライブ映像を映画館で楽しむもので、本作は4月24日・25日に日本武道館で行われ2万人を動員したTM NETWORKのライブを余すところなく捉えた作品である。公開と同時にエイベックス・トラックスがリリースしたブルーレイ(劇場版とは内容が異なる)は、発売初週に6000枚を売り上げ、オリコンで18年ぶりにTOP3にランクインするなど、今まさにTM NETWORKブームが再燃しているところである。
この舞台挨拶は、珍しく一般人も自由に写真を撮ってよく、小室は客席からフラッシュを浴びながら「客席全部が報道席みたい」と笑っていた。
小室は「28年僕の指示に従ってくれて頭に下がる」とメンバーの2人に感謝しながらも「3人とも温度が低いのが良かったのかな。1人だけ熱くても困るから」と語っていた。武道館でのコンサートでは『未知との遭遇』の世界観を持ち込んでおり、1日目の後に『未知との遭遇』を見て、母船の円盤の色を再確認して、思っていたものと違っていたから2日目で色を合わせたことを明かした。2日目の方が細かくできているという。「メンバーを見ないで全体の空気感を見て欲しい」と小室は語る。
80年代の曲もやっているが「僕が音色とかやりなおしました。残すところは残して、2人の声をサンプリングしまして、一人リハーサルしてへとへとです。UTSUのしっかり歌詞を伝える歌唱法なので、入っていく言葉はよく考えています。かっこいいところはかっこよく、入るところは入るように作っています」と小室。
TM NETWORKの音楽性について聞かれると、小室は「もともと3人はロック好きで洋楽好き。ロックぽくしたいなと思ってやっていたけど、やってみるとこれはロック・バンドじゃないなって、こんなヤワなロック・バンドいないでしょ(笑)。なんともカテゴライズがしにくいところでは、今後もそういうものでもいいなと思っています。何じゃなきゃいけないというコダワリは僕にはないし、やってみたらこんな感じになったというのでTMは今後もいいんじゃないかな」と答えていた。
舞台挨拶の終了時間が来ても「僕はいいんですけどね」とまだまだ話足りない感じだった小室だが、「いつか公演に母船の円盤ごと登場したいですね」と50を過ぎてもクリエイティブなイマジネーションは全く衰えていないようだ。
2012/09/19 4:00