WOWOW『TOUCH/タッチ』キーファー・サザーランドが緊急来日
去る9月3日（月）、日比谷のザ・ペニンシュラ東京にて、テレビドラマ『TOUCH/タッチ』のPRのために緊急来日したキーファー・サザーランド(45)が記者会見に出席した。
キーファー・サザーランドの来日は『24 -TWENTY FOUR-』の記者会見以来2年ぶり。今回もテレビドラマのPRでの来日となった。筆者がキーファー・サザーランドを取材するのはこれが初めてだが、はっきり言おう。キーファーの紳士らしさに本気で感心した。日本への感謝の言葉は、日本人なら思わずうるっと来てしまう素晴らしいスピーチだった。記者会見で、こんなにもエモーショナルな感動を与えてくれた人は初めてだったので、このレポートでキーファーの人柄の良さが伝われば幸いである。
今回は「緊急来日」ということだが、記者からどうして急に来日したのか理由を聞かれて、キーファーはこう答えた。「どんな口実を使ってでも日本には来たいですね。『24』はアメリカ以上に日本が最初からとてもサポートしてくださった。それがあったからこそ、あれだけシリーズをやってこられたのです。ですから私は永遠に日本のお客さんには恩を感じているのです。それから、私はこの作品には非常に自信を持っていますから、ぜひ多くの人にみてもらいたいと思っています。東京を含め多くの国が舞台になっていますが、ドラマの中で登場する国に自分が訪れることによって、この作品をその国がどういう風に感じてくださっているかを知ることもできるのです。来日することは、今後のドラマ作りにも生かせる機会でもあったのです」
ちょっと真面目すぎるコメントだが、役作りにも言及しているので、正直な理由だと思う。日本に対するこの褒め言葉もお世辞などではなく、心から感謝しているようで、筆者は胸がじんと来てしまった。またその語り方、物腰といったら、これぞジェントルマンという感じで、ちゃんと質問者の目を見て答えていたし、非常に好感が持てた。
この作品はミステリードラマだが、どういう心構えでやったのかという質問では、「『24』が終わってからこれほど短いスパンでテレビドラマに復帰するとは思っていませんでした。ブロードウェイの舞台をやっていたときに、この脚本を読んで、美しく繊細な内容に心を打たれました。シングルファーザーで息子は無言症という、でもそこに自分の感情を動かす何かがあって、この役を引き受けなかったら後悔するだろうなと思ったのです」と回答していた。
濱田龍臣(12)が花束ゲストとして登場すると、キーファーは「お会いできて光栄です」と一礼して花束を受け取った。濱田くんが「将来はハリウッドで活躍できる俳優になりたい」と語ると、キーファーは「私は文化とか言葉の壁を越えられるのが演技だと思っています。濱田くんが日本で若い俳優で経験していることは、私がアメリカで俳優として経験していくことと何ら変わりないのです。ですから将来私たちが共演することは十分にあり得ますよね」と答えていた。
『TOUCH/タッチ』は、10月5日（金）夜11:00からWOWOWで放送をスタートする（これにあわせて『24 -TWENTY FOUR-』も9月29日（土）夜8:10から8ヶ月連続で放送を開始する）。記者会見の会場に流れていた本編BGMがかなり良いBGMで、まだ作品を見る前から筆者は傑作の予感がしていたが、実際に作品を見ると一気にハマってしまった。第一話から感動で震える。第一話の放送は無料で視聴することができるので、ぜひまずはだまされたと思って第一話を見ていただきたい。
スタッフは、あの『HEROES/ヒーローズ』を手がけたティム・クリングである。壮大なスケールのこのドラマ。9.11を経験したニューヨークと、3.11を経験した東京、その他、イラクのバグダッド、アイルランドのダブリンなど、様々な場所の様々な人々が、過去・現在・未来で、特別な数字でひとつにつながっているという奇跡のストーリー。人と人がリンクした瞬間は感動で鳥肌がゾクゾクっと来る。この感動は実際に見ていただかなければわからないものである。（澤田英繁）
2012/09/19 2:47
