音と色彩のステージ『ブラスト!』3年ぶりの日本公演
2003年から2009年まで毎年日本で公演し大ヒットを記録した『ブラスト!』のステージが、今年7月から3年の充電期間を経て復活する。
『ブラスト!』は、アメリカの南北戦争を起源としており、当時の兵隊が使っていたラッパ・太鼓・旗信号の3つを元に、ブラスとパーカッションとダンスの3要素をミックスさせて極上のエンターテイメントに発展させたミュージックショーである。
つくづく音楽好きにはたまらないステージだと思う。日本で519回も公演しただけのことはある充実の内容である。それは音と色彩のページェント。目でも見せる音楽とでも言おうか。セットの色遣いの綺麗なこと。音楽には色があり、最初は紫、次に青、それから緑、黒、黄、橙、最後に赤とステージの色合いが曲目ごとに鮮やかに変わっていく。
選曲も良い。最初にはラヴェルのボレロ。いずれの曲もクラシックを原点としているが、それらを見事にブラス&パーカッションでアレンジしており、編曲のクオリティーは非常に高い。それはまるでハリウッド黄金時代のスペクタクル活劇のようにゴージャスで、ホール全体が音圧で包み込まれるような分厚い音の世界が広がっている。
12種類以上のブラスと51種類ものパーカッションの個々の音色が気持ちいい。さまざまなユニークなパーカッションが出てくるが、ステージ音響が見事で、鈴の音ひとつの音色にしても何か心に響くものがある。それらが一斉にひとかたまりになって情熱的に奏でられるとき、腹にズンズンと迫ってくるこの快感は、ライブ好きにはたまらないものがあるだろう。日本人も3人参加しており、中でもパーカッションの石川直はバンドの主役的存在であり、センターに立って驚異のパフォーマンスを披露してくれる。とにかく熱いステージで、クライマックスと言えるシーンは3つも4つもあり、非常に満足度の高いステージである。(レビュー:澤田英繁)
『ブラスト!』は、7月13日(金)の千葉公演から始まり、神奈川(7/14・15・16)・埼玉(7/18)・山梨(7/19)・栃木(8/14)・群馬(8/15)・東京(東京国際フォーラム 8/16~9/2)を回る。お問い合わせはキョードー東京まで。
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フィナーレ
2012/07/01 20:32