映画界進出のバカリズム。殴り合いに負けてリベンジ誓う?

『バカリズムTHE MOVIE』

お茶の間にシュールな笑いを提供してくれるクリエーター系ピン芸人バカリズム(升野英知)が、ついに映画業界に進出した。5つの短編によるオムニバス映画『バカリズム THE MOVIE』を引っさげての進出であるが、初日舞台挨拶になぜかスタッフパスを首からぶら下げたまま登場したバカリズムは、「映画は今日の昼にできたばかり。ギリギリ間に合った。僕ね、まだちゃんと見てないんですよ」と、監督らしからぬ発言で観客を笑わせた。


バカリズムは「監督」ではなく、「ほぼ監督、ほぼ脚本、ほぼ主演」ということらしい。なぜ「ほぼ」かというと、「ほぼぐらいが心地いいんです。ほぼだといつでも逃げられるから。この映画が成功したらいつのまにかほぼを取って”監督”と言ってるかも」とのことである。このなんともいえない適当さがこの映画の見どころ。イベント司会曰く、現代サラリーマン社会を鋭く描いた社会派ドラマもあれば、真実の愛の形を問いかける世界にひとつだけのラブストーリーもあり、内容は様々とのことらしいが、完成した映画を監督よりも先に見終えたばかりの観客は司会のオーバーな売り言葉を聞きながらクスクス笑っていた。


舞台挨拶では、やたらと「カンヌ」を連発していたバカリズム。「今朝、カンヌの夢を見まして。カンヌがなんなのか僕は知りませんが、カンヌの第一次予選が殴り合いで、それこそ虎の絵が描かれているようなところで戦ったんですけど、負けまして、カンヌ駄目だったと泣く夢でした。現実ではカンヌ制覇したいと思います」と早くも野望は大きいぞ。


この映画、先ほども述べたように出来立てのホヤホヤということで、初日舞台挨拶がそのまま映画の完成報告会見となった。初日の席に観客が見ている側で記者会見をやるのは異例中の異例。最前列で写真を取っていた記者たちを見て、「マスコミの方だったんですね。カメラ小僧かと思ってた」とボケながら、記者たちから次々と質問を浴びせられてもマイペースに適当発言で応戦。「何問でもいいですよ。質問がないならこっちから指しますよ」とかなりノリノリだった。


質問と回答を一部抜粋すると、チャップリンみたいな格好を問われ、「衣装の人が決めたんで、僕の意思はまったく入ってません。チャップリンがどの位の方かは知りませんが、対抗したいと思います」と回答。「これでバカリズムさんも文化人の仲間入りですね」という質問には「文化人Tシャツを作ろうと思ってます」と回答。「ライバルは?」と聞かれると、「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』この前見たとき面白かったんで、あれを作った人の名前はわかりませんが、ライバルです。今もご存命なのでしょうか?」と適当に答えていた。


最後のフォトセッションでも「僕、誰とセッションすればいいんですか?」ととぼけるなど、終始ボケまくりで笑いを取っていたバカリズム。『バカリズム THE MOVIE』は、シネマート六本木にて、5/26、5/27、6/2、6/3の4日間限定上映。チケットはすでに完売している。

[PR] 戦国時代カードゲーム「秀吉軍団」好評発売中

2012/05/28 3:32

サイトのコンテンツをすべて楽しむためにはJavaScriptを有効にする必要があります。