北野武『アウトレイジ ビヨンド』撮影好調
去る4月17日(火)、千葉県の「生命の森リゾート」にて、『アウトレイジ ビヨンド』の現地記者発表会が行われ、北野武監督、西田敏行、三浦友和、森昌行プロデューサーが登壇した。加瀬亮、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文らキャスト陣も役柄の衣装を着て、眉間にシワを寄せて悪役顔でフォトセッションに臨んだ。
『アウトレイジ ビヨンド』は、『アウトレイジ』の続編。キャスト全員が悪役というバイオレンスエンタテインメントになる模様。現在は千葉で撮影進行中だが、のどかな山の中でヤクザたちがどのように殺し合うのか乞うご期待である。
北野監督は、「珍しく前の作品が当たっちゃって、一回目を見た奴は二回目も見るんじゃないかと、図々しい根性で2を作ろうことになったんですけども」と挨拶。「1を結構役者さんが見てくれて、西田さんとかベテランの人が出てくれて、最初神戸の方で撮ってたんですけど、神山繁さん、中尾彬さんとか、西田さんとか、コッテコテの芝居をやられましてですね。見ててヘトヘトになったり、面白くてしょうがないという感じで。まだ前半戦始まったばかりですが、台本の段階ではかなり面白くなってるので、失敗したら演出のせいだと言われるのが恥ずかしいからがんばります」と作品にかける意気込みを語っていた。なんでもタイトルに「2」という数字を入れるのが嫌で『アウトレイジ ビヨンド』にしたとのことだが、ビヨンドの意味を聞かれると「タイトルは意味がわからないです。『アウトレイジ ”ビヨンセ”』なんて。まあいいか」と得意のジョークで応じていた。
三浦はマイクを持つなり「トップにのぼりつめて。今度は追われる立場になって、疑心暗鬼で毎日撮影しています。今日も二人殺して参りました」と記者陣を笑わせた。「撮影現場では、みんな立ち上がって”おはようございます!”って挨拶してます。妙に緊張感がありますね」と、スタッフたちのヤクザのなりきり具合も半端じゃない様子だ。
西田は、ピュアな笑顔で「どうも皆さんようこそいらっしゃいました。西田敏行です。憧れの北野組に参加できてとっても嬉しく思っています。そしてまた、悪役を演じさせていただくということで、とっても心が弾んでます。よろしくお願いします」とアイドル風の口調で可愛く挨拶して記者陣の笑いを誘っていたが、フォトセッションのときは一転して唇をへの字にしてドスのきいた「悪役顔」を披露していた。北野監督の印象については「本当に楽しそうに映画の撮影をしてらっしゃる感じが愛おしくて、本当に好きなんだなあと思いの中でいさせてもらいました」と語っていた。
森プロデューサーの話では、本作は元々は昨年撮影して公開の予定だったが、3.11の影響で中断を余儀なくされ、1年遅れて4月5日からクランクインを開始したとのことである。キャストも全員協力的で、一年後に再集結。この撮影のために今年の予定を変更した役者もいたという。東京と大阪、東西の巨大組織が合間見えるときに、警察のヤクザを撲滅する働きかけに”生きていた”大友(ビートたけし)が巻き込まれていくというストーリーになるという。10月6日からワーナー・ブラザース映画とオフィス北野の共同配給で、200館以上でのロードショーが決定しており、オフィス北野の作品としては最大規模スタートの興行となる。
2012/04/23 4:42