特集 AKB48 in 西武ドーム

AKB48

2月18日(土)、西武ドームにて「KING RECORDS presents 10月26日発売23rdマキシシングル『風は吹いている【通常盤】』全国握手会イベント AKB48祭り powered by ネ申テレビ」のイベントが行なわれた。AKB48の16人(前田敦子、大島優子、柏木由紀、篠田麻里子、渡辺麻友、小嶋陽菜、板野友美、北原里英、指原莉乃、横山由依、河西智美、峯岸みなみ、宮澤佐江、多田愛佳、島崎遥香、高城亜樹)のメンバーによるミニライブ、トークショー、握手会を合わせたイベントである。


今時AKB48を知らない人は世捨て人くらいなものだとは思うけど、このコーナーでAKB48を取り上げるのは初めてになるので、その凄さを再確認してもらうためにも、まずはAKB48についてざっと説明する。


AKB48は、現在日本で最も人気のあるアイドルグループだ。それは間違いないだろう。2005年12月より「会いにいけるアイドル」をコンセプトに作詞家・秋元康が生み出したグループで、秋葉原に専用劇場「AKB48劇場」を持ち、メンバーをチームごとに分けて、ほぼ毎日公演を行っており、これまでに62万人の観客を動員した。


メンバーはすべて応募によるオーディションで選出されている。現在は、チームA、チームK、チームB、チーム4の4チームに別れておりメンバー数は総勢57名。その顔ぶれは時期によって異なるが、活動開始時期から現在も変わらず第一線で活躍しているメンバーは板野友美、小嶋陽菜、高橋みなみ、前田敦子、峯岸みなみ、篠田麻里子の7人いて、いずれもコンスタントに人気が高いメンバーである。現在最も人気のあるメンバーは前田敦子で、歌うときも撮影のときも前田はセンターの位置に立つ。人気2位は大島優子で、大島はこの日メインMCを務めていた。


ギネスには「最も人数の多いポップグループ」として認定されているが、驚くのは、そのメンバーの中身の濃さである。可愛い子が大勢いるから凄いというのではなく、一人一人がソロになっても十分に数字が取れるメンバーの集まりということだ。メンバー皆が存在感を持っていて、単独でのテレビ出演、映画出演、CM出演も多い。AKB48は第一級のアイドルたちが集まるスーパーグループなのである。


といっても、いきなり凄かったわけではなく、最初は無名だった。売れ始めたのは2008年、キングレコードに移籍してから。「大声ダイヤモンド」を皮切りにメキメキ人気が急上昇した。シングルの売上も12万から、20万、34万、43万、63万、79万、95万、113万、176万と作品を経るたびに飛躍的に枚数をあげて来ている。2010年にはその人気が社会現象になり、2011年には初日1日だけで売上ミリオンを達成するという未曾有の記録も打ち立て、シングル連続トップ回数でも長年不動だったピンク・レディーの天上記録をついにぶち破って今も独走を続けている。


AKB48はシングルを出すたびに何らかの記録を軽々と更新している。まだ二十歳くらいの女の子たちの集まりなのに、そのあまりにも神がかった経歴に、筆者も記事を書いていてベートーベンかピカソかどこぞの歴史の偉人の一生を紹介しているような錯覚を受けてしまった。まだ未来のある彼女たち。今後も記録を塗り替えて行くだろう。海外の名だたる映画監督の巨匠たちも好きなアーティストにAKB48をあげている。もはや音楽業界の常識を超越した存在にあり、ファンが「神」と崇めているのも納得できる。


今だからこそ言える裏話がある。筆者は4年前にも実は一度AKB48を取材したことがあった。そのときは一緒に取材していたマスコミ一同が口々に「AKB48? 誰それ?」なんて言っていたくらいだが、今ではもうその存在を知らない人はいない。雲の上の存在で、今では恐れ多くて取材すらできない状態である。弱小メディアの悩みどころで、筆者は映画『DOCUMENTARY of AKB48』では取材拒否を喰らって辛酸をなめた経験がある。厳しいよなぁ。多分今後も取材させてもらえる機会は滅多にあるまい。そんなわけで、念願の取材許可をもらったこの日はかなり気合いをいれて撮影させてもらったぞ。フォトギャラリーなど楽しんでいただければ幸いです。


この日のイベントのハイライトは、3日前に発売したばかりの新曲「GIVE ME FIVE!」の生演奏だった。AKB48初のバンド曲である。この曲のために秘密の特訓で楽器を覚えたメンバーたちがそれぞれ楽器を持ち寄って演奏する卒業ソング。ギターの前田敦子、ベースの大島優子、ドラムの柏木由紀を中心に、ノリの良いリズムと独特なグルーヴで、見事なアンサンブルを見せ拍手喝采を浴びていた。アパマン、ドコモ、はるやまのCMでも使われているキャッチーなこの曲は、新たなAKB48のアンセムとなりそうな予感である。


それにしても、名目は「握手会」といえ、書店の一角で行なわれる他のアイドルの握手会とは次元が違いすぎる。球場を会場としているところもスケールが違うが、これだけ大きな会場を13000人もの観客が埋め尽くしていることにも驚く。握手会用のブースが設置されており、それぞれのレーンの奥にメンバーが待っている。参加券1枚につき、ひとつのレーンにしか入れないので、目当ての人が2人以上いる場合には参加券が2枚必要になり、参加券の争奪戦が事件になるほどだ。ファンはこのレーンを「神レーン」と呼んでいる。


AKB48は被災地への支援も積極的に行っている。今回は新たに「AKB48プロジェクト」から5億円の義捐金寄付を発表した。これで、AKB48はこれまでに12億5千万円を寄付したことになる。内訳は「AKB48プロジェクト」からの義捐金が去年の分も含めて10億円、ファンからの寄付金が約2億円、残りはCD収益の一部という。この他に新たに30台の送迎バスを寄贈する。今年の3月11日にはチャリティライブも行う予定だ。(澤田英繁)


AKB48 25th シングル「GIVE ME FIVE!」1,600円(税込)発売中
『AKB48 ネ申(ネモウス)テレビ シーズン9』
CS放送ファミリー劇場にて3/4(日)18時より放送開始
(この日は欠席した高橋みなみに代わってTOMO-ZOがリードギターを務めた)

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2012/02/19 20:29

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