『バトルシップ』ユニバーサル映画は100歳

『バトルシップ』

映画製作スタジオと聞いて最初に「ユニバーサル」を思い浮かべる人は多い。映画館が暗くなり、幕が上がる。最初に地球の映像が映る。「さあ映画の始まりだ」と胸が高鳴る。この瞬間は神々しくもある。このユニバーサル映画も、今年で100周年を迎えるという。ユニバーサルといえば地球だ。そこでユニバーサルは「地球」を舞台にした、飛び切りスケールのでかいSF映画で100周年を華々しく飾ることを決した。それが『バトルシップ』である。

ユニバーサルは、かつては怪奇映画を得意とした映画スタジオだった。ドラキュラ伯爵、フランケンシュタインの怪物、ミイラ、狼男、半魚人など、数々のホラーキャラクターを生み出した会社である。その流れから、特撮物、SF映画を得意分野とする会社になった。『E.T.』以降、映画興行の主役の座はスペクタクル史劇からSF映画に変わり、ユニバーサルは怒涛の勢いで次々とSF映画の新機軸を打ち出していった。そのユニバーサルが、100年目にして贈る『バトルシップ』。太平洋上に出現したエイリアンと世界連合艦隊の壮絶なバトルが描かれる。これは大いに期待できそうだぞ。

日本を代表する俳優の一人、浅野忠信さんも子供の頃ユニバーサルの映画に夢中になった一人である。中でも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は親にVHSをねだって買ってもらって何度も何度も見たという。そんな浅野さんがこのユニバーサルの100年記念作品に重要なキャストで出ているのである。「夢のようです。僕のアメリカでの大きな一歩になったと思います」と語る浅野さん。

ロサンゼルスのスタジオには『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のセットが残されているが、主演のテイラー・キッチュさんに案内してもらって、大好きな映画の一部を間近で見られて興奮しきりだったという。浅野さんとテイラーさんは、オフの日には一緒にアメフト観戦をしたり卓球大会をしたり友情を深め合ったといい、某日行われた記者会見で再会したときも肩を抱き合って仲が良さそうであった。

このテイラー・キッチュさんは、これから大当たりしそうな雰囲気である。本作の後にも『ジョン・カーター』やオリヴァー・ストーン監督作品が公開を控えている。期待の若手で、会見中もリラックスした感じ。声が大きく、マイクなしでも一番後ろの席に声が届くほどであった。テイラーさんは「愛のためにどこまでエイリアンと戦えるか。そこが見所だよ」と話していたが、作中で見られる彼のリーダーとしての資質はユニバーサル映画ファンの男たちを熱くさせてくれそうである。

本作のメガホンを取ったのは『ハンコック』のピーター・バーグ監督。「この映画は男の子が女の子を追いかけるラブストーリーなんだ。途中エイリアンがでて来たり、様々な困難があるけど、それを乗り越えていく映画なんだ」とバーグ監督は語る。父親が海軍マニアということもあり、前々から海軍の映画を撮りたいと願って来たバーグ監督なりのこだわりも随所に見られそうな予感である。

「ユニバーサル映画100周年記念作品」とデカデカと銘打っている以上、これは社運をかけた作品になりそうなので、会見にはユニバーサル社の重役も出席してもらいたかったと思う。まだ製作段階70%とのことだが、『バトルシップ』はユニバーサル100年の長い長い歴史の頂点に立つ総集大成となる究極の超大作とならねばならない重荷とプレッシャーを背負った作品となったがゆえに残り30%最後まで気は抜けまい。観客に心からの畏敬の念を持って「これがユニバーサルだ!」と言わせるだけの気合いのこもった力作を作ってくれることを信じたい。公開は4月13日(金)から。(澤田英繁)

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2012/02/05 23:04

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