第24回東京国際映画祭レポート

第24回東京国際映画祭が10月30日に閉幕した。コンペティション部門で上映された作品は15本。その中で、同映画祭最高の栄誉である「東京 サクラ グランプリ」にはエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの共同監督によるフランス映画『最強のふたり』が選ばれた。『最強のふたり』は主演のフランソワ・クリュゼとオマール・シーが最優秀男優賞をダブル受賞した。「日本は私にとって特別な場所になりました。必ず、日本へ行って自分の手でこの賞をいただきに行きます」とのフランソワ・クリュゼから届いたメッセージが読み上げられた。

最優秀女優賞はアイルランド映画『アルバート・ノッブス』のグレン・クローズが受賞。クローズは別の映画の撮影中だったのにも関わらず、ビデオメッセージを映画祭に送り、「そこにいられたらと思っています」と喜びを伝えていた。

最優秀監督賞は、『プレイ』を監督したスウェーデンのリューベン・オストルンド監督に送られた。移民によるカツアゲを描いた問題作で、審査員は最後まで『プレイ』、『最強のふたり』のどちらをグランプリとするかで迷ったという。

日本映画で唯一出品していた『キツツキと雨』も審査員内で最も人気があった作品のひとつで、グランプリも考えたが、「サクラグランプリには軽すぎる」という理由で、審査員特別賞に選ばれた。おそらく東京国際映画祭の国際性を考えて日本映画を選ぶのは避けたのかと思われる。

コンペティションだけが映画祭ではなく、それ以外にもまだ配給元が決まっていないものを含め、世界各国から9日間で数百本の映画がTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映された。映画の上映後には作品を手がけた監督やプロデューサーによるQ&Aの時間も設けられ、映画の作り手と観客のつながりを深めた。『近松物語』など、古典的名作も多数上映され、香川京子は日本人として初めてFIAF(国際フィルム・アーカイブ連盟)賞を受賞した。

また、ハリウッドからは、クロージングではブラッド・ピット主演の『マネーボール』が上映された他、B級映画の神様ロジャー・コーマンが来日して舞台挨拶に立った。

香川京子
FIAF賞を受賞した香川京子

『トリシュナ』Q&A 『プレイ』Q&A
上映後、観客からの質問に答える『トリシュナ』のマイケル・ウィンターボトム監督と『プレイ』のラインプロデューサーのマリー・シェルソン。

ロジャー・コーマン
500本以上の映画を製作したロジャー・コーマンと夫人のジュリー・コーマン。ドキュメンタリー『コーマン帝国』の上映にて。

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2011/10/31 4:40

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