阿部寛『天国からのエール』奇跡の実話
9月20日(火)六本木で行われた『天国からのエール』の試写会にゲストとしてキャストの阿部寛(47)、ミムラ(27) 、桜庭ななみ(18)、元WBA世界ジュニアフライ級チャンピオン具志堅用高(56)が登場した。
『天国からのエール』は、2009年前に42歳の若さで他界した「あじさい音楽村」の創設者、仲宗根陽さんをモデルにした実話である。沖縄の小さな弁当屋を営んでいた仲宗根さんは、高校生のために弁当屋の地下に手作りの音楽スタジオを創設し、数々のアーティストをメジャーデビューさせた人だ。
阿部は、この台本を初めて読んだときの感想を「まるで夢物語のようだった」と振り返った。高校生のために音楽スタジオを使わせ、本気で子供達を愛した男の物語。実話であるが、これは奇跡ともいえる実話である。
具志堅用高は、沖縄を代表して作品を見た感想を語った。最近はバラエティ番組で見ない日はないほどお茶の間ではお馴染みの顔だが、具志堅は「いやー、感動しました。最後泣きましたよ。素晴らしいなあ。はい」、「いやー、ミムラさん、沖縄のお母さんという雰囲気が出てましたよ。いいんだなあ。はい」といつもの調子でコメント。阿部の沖縄弁については具志堅も太鼓判をおしていたが、ミムラが「今お二人が並んでみて、具志堅さんと阿部さん、似てると思いました」と語ると、具志堅は「いやー、だって阿部さん、役者さんでは一番良い男でしょ」と照れまくっていた。
続いて、主人公が弁当屋ということで、具志堅に沖縄の弁当を食べて評価してもらうことになった。具志堅は「うん、こうやって輪ゴムでとめてあるのがいいね。ゴーヤと豆腐を一緒に食べて苦味をおさえるんです」と言って頬張ったが、「味が薄いね」と採点は厳しめ。醤油をかけながら「ちょっちゅね」と決め言葉を発すると、阿部は「聞けて嬉しいです」と嬉しそうであった。
この映画の主人公は、子供たちにスタジオを自由に使わせる条件として「挨拶をすること、人の痛みがわかる人間になること」を掲げる。具志堅はここに感動したようで、「挨拶なんですよ。やっぱり。うちの研修生も挨拶が一番大事です」と力説、阿部も「そうですね。挨拶ってすごく大事ですね。本当に真剣に叱って、愛情をもってやること、本気で何かに立ち向かって行く姿、素晴らしいことだと思うし、本気のスポーツ、本気の生き方は共通すると思いました」と同調していた。しかし、具志堅は「人の痛みがわかるというのも大事なことです。だけど私は人の痛みもわからずリンクで相手を倒してね」とすっかりバラエティ番組のノリで語り、場内の笑いを誘っていた。
『天国からのエール』は、アスミック・エースの配給で、10月1日(土)より全国ロードショー。
2011/09/26 2:30