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東映が外国映画配給事業に進出。その第一弾としてトップ韓流スターのウォンビンに着目

『アジョシ』

日本の映画会社・東映が、とうとう30年ぶりに外国映画の配給に乗り出した。東映はこのたび、「東映トライアングル」という新レーベルを発足させ、その第一弾として、韓国のトップ俳優ウォンビン主演の『アジョシ』を買い付けた。中小の配給会社が経営難から次々と倒産する中で、東映は自社映画の海外セールスで培ったノウハウを生かして、その道(アングル)にあえて挑戦(トライ)する。そういう気持ちを込めての「東映トライアングル」である。

30年・40年前にはブルース・リーやジャッキー・チェンなど香港映画の配給で過去成功している東映だが、今回もハリウッド映画ではなく、韓国映画に目を付けたところに先見の明がある。ハリウッドの場合、ブロックバスターといえる作品はメジャースタジオ製作のものが多く、日本では最初から配給会社が決まっているものがほとんど。その点では韓国映画にはダイヤモンドの原石がいっぱいあるというわけ。最近の韓国映画の勢いはとどまるところを知らず、映画界も音楽界も今日本は韓国に押されているくらいだ。ウォンビンが以前出た『母なる証明』は、その芸術的完成度の高さから日本でも絶賛されたが、こういった作品からも韓国コンテンツの可能性は無限大である。

『アジョシ』は、韓国では630万人の観客を動員。その年最もヒット作し、韓国で最も権威ある賞とされ49年の歴史を持つ「大鐘賞」ではウォンビンが主演男優賞に選ばれた作品である。紛れもなく、今最も注目を集めている大型の韓国映画だ。

去る8月30日、ウォンビンが同作のPRのために来日した。新宿のパーク・ハイアットで行われた記者会見には、全国津々浦々、数えきれないほどのマスコミが集まった。いくら韓国四天王といわれるウォンビン目当てだとしても、これだけのマスコミが集まるのは驚異としか言えない。それもそのはず、ハリウッド映画だけに特化したメディアはないけれど、韓流だけに特化したメディアというものは日本には数多く存在するため、単純に考えてもハリウッドスターの記者会見よりも韓流スターの記者会見の方が取材する記者数が多くなるのだ。今となっては、ハリウッド映画よりも、韓国映画の方が、コンテンツバリューが高いのである。

ウォンビンは、何百人という記者の前でも、いい意味で、まったく気取りがなく、実に落ち着いていた。その物腰は男性記者の目線からしてもかなりかっこいいものであった。大阪から飛んで来たある女性記者は、「ウォンビンに会えるのなら交通費も安い」、「この映画はウォンビンのためにあるような映画」と絶賛していたが、彼女を含め、集まった記者には女性が多かったように思える。

イ・ジョンボム監督は『母なる証明』を見て、ウォンビンならばどういう役にでも化けられると確信したという。この映画では激しいアクション&バイオレンスシーンもあれば、子供に対する愛情であるとか、優しいシーンもあり、ウォンビンはその二面性をうまく演じ分けている。

ちなみに『アジョシ』の意味は「おじさん」である。日本語の「おじさん」同様、韓国でも「アジョシ」といえば、お腹がぽっこりでた中年の親父のイメージがあるというが、ウォンビンが本作で「おじさん」を演じたことで、「おじさん」という言葉の意味も、今後変わるかもしれない。

ウォンビン主演『アジョシ』は、9月17日(土)から全国ロードショー。なお、東映は外国映画配給事業の第二弾として、ジャッキー・チェンの第100作目『1911』の公開も控えている。(澤田英繁)

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2011/09/06 1:14

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