名前が動物の人この指止まれ。六本木ヒルズにダジャレで著名人が集合

『ライフ −いのちをつなぐ物語−』

海外の映画スターを呼んで、ジャパンプレミアと銘打って六本木ヒルズアリーナで派手にイベントを行うことはよくあるけれど、3.11以後、このアリーナで映画のイベントがなく、ちょっと淋しい。そう思っていたら、まさかドキュメンタリー映画がその沈黙を破ってくれるとは! イギリスBBCが作った映画『ライフ −いのちをつなぐ物語−』(9月1日から公開中)の公開記念イベントであり、その名も「WE ARE ALL CONNECTED アニマルプレミア」。金髪で青い目のイケメンの映画スターは登場しないけれど、この映画の主人公は世界中の動物たちだ。動物たちもそれぞれの自分の「人生」を精一杯生きている。そんな動物たちをアリーナのカーペットを歩かせたらどうだと、そういう夢のプロジェクトが実現した。

去る8月29日(月)に行われたこのイベントには、象や馬など、11の動物たちが参加し、日本の著名人に引き連れられて、アリーナのカーペットを練り歩いた。参加した著名人は土屋アンナ、山本梓、あびる優、森泉などカーペットが映えるゴージャスなモデルが多数。 といってもゲストのうち約半分は、アニマル浜口、タイガーマスク、獣神サンダーライガー、猫ひろしなど、ダジャレかよ!とツッコミたくなったけど(ドランクドラゴンなんかダジャレだとしても相当無理があるが)、こういうダジャレでなければこういうところではなかなかお目にかかれないすごい人選なので、とにかくこれは面白いイベントになるだろうと思った。これだけの著名人たちが動物たちと一緒にここを歩くなんて、そういえばこんなイベントはここでは過去に前例がなかった。あのでかい象が土屋アンナと一緒にアリーナをのっしのっしと歩いているだけで、絵的にも何やらすごいこと!

ファイナルで登場したのは、イリュージョニストのプリンセス天功。すごい大物ゲスト。ある意味来日スターよりすごい。大きなフクロウと一緒に来ていたが、このフクロウがプリンセス天功の隣にいて、やばいくらい絵になっていた。それもそのはず、実際にプリンセス天功が飼っているペットとのことだ。しかし、まさかこういう形でお目にかかれるなんて感動ものである(といっても来場者のほとんどはJUNO目当てぽかったけど)。このとき六本木ヒルズアリーナに来ていた人は貴重な体験になったんじゃないかな。

プリンセス天功が参加したことで、これが単なるネタ的イベントではなく、本当に大きなイベントだということを実感させてくれる。といっても、ヒルズでやってるくらいだから、ただのネタなわけがないのはわかりきっていることだが。

筆者は『アース』のブルーレイを持っているほど、ネイチャードキュメンタリーが好きなので、『ライフ』も公開初日に飛んで見に行かせてもらった。その感想を書かせてもらうと、ただただ映像の美しさに驚かされる。くっきりと、動物の毛並みの一本一本の質感を感じさせる息を呑む映像である。しかも、よくぞ撮ったといいたくなるほど、完璧なカメラアングルで決定的瞬間を捉えている。相当根気強く撮影していることだろう。たった1分の映像を撮るためだけに、どれだけの根気が必要だろうか。撮影したデータ量も劇映画の比ではあるまい。

マクロカメラで撮影した映像では、親指の爪ほどのカエルに肉迫しているが、カエルの肌の質感までくっきりと見えて思わず目ん玉が飛び出るほどぶったまげる。そして、圧巻はハイスピードカメラの映像だ。チビ猿が石を天高く持ち上げ、勢いよく振り下ろしてヤシの実に叩きつけるシーンでは、猿の筋肉に振動がぶるぶるっと伝わって行く瞬間がスーパースローモーションで見られて凄い迫力である。ぜひご覧あれ。(澤田英繁)

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2011/09/05 0:13

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